和田秀樹 メンタルに不調を感じたら心療内科や精神科を受診すべき?それとも一般内科?「見極めるにはスキルが必要なのでオススメは…」
◆Q:メンタルクリニックのホームページを見たときに、「こんなところを要チェック」といったポイントがあれば教えてください メンタルクリニックを選ぶときに、ホームページを丹念にチェックすることは、とてもよい方法です。一見、定型通りのホームページであっても、ポイントを押さえて読んでみると、そのクリニックの本質が透けて見えてきます。 診療内容が書かれているページや、院長の書いたブログの中に、カウンセリングや認知療法などの心の医療に関する文章が載っていたら、精神療法にも力を入れていることが期待できます。 また、精神科の専門医なのか、心療内科の専門医なのかも、要チェックポイントです。心療内科の専門医は全国で300人くらいしかいませんが、カウンセリングのトレーニングをある程度受けていて、内科の知識も備えていることが期待できます。 なお、クリニックの名称が「心療内科クリニック」でも、精神科の医者が院長を務めている場合がよくあります。 その場合、内科の研修を受けていることが記載されていればいいのですが、内科の研修を受けていないのに、心療内科を名乗っていたら、ちょっと用心したほうがいいでしょう。患者さんの評価コメントの欄があれば、それも読んでみましょう。 匿名のコメントの信ぴょう性は微妙ですが、自分のクリニックにとって好ましくないコメントも削除しないで掲載している場合は、自分の診療に自信をもっている証しとも考えられます。
◆Q:初診のときに薬を3種類出されて、「1カ月後にまた来てください」といわれました。薬の副作用が気になるのですが、1カ月間飲み続けても大丈夫でしょうか? どのような薬をどれくらい処方するかという判断は、目安となる基準はあっても、医者の見立てによって異なります。 また、薬によって効き目が出てくるのがその日のうちのものもあれば、抗うつ剤のように3~4週間かかるものもあります。したがって、一概にはいえませんが、患者さんが不安に思っているということは、医者の説明が足りていないことは確かです。 1カ月も間が空くのであればなおさらのこと、薬の副作用も含めて、診察時にきちんと伝えておく必要があります。 そして、「次の予約前でも、薬を飲んで調子が悪いときは、いつでも来てもらって大丈夫ですよ」という一言をつけ加えれば、患者さんは安心します。 ちなみにアメリカでは、複数の薬を一緒に処方することは原則的に行われていません。アメリカがすべて正しいとはいいませんが、なるべく種類が少ないほうがいいと私も思います。 なぜなら、一度に何種類も出すと、どの薬が効いて、どの薬が効いてないのか、医者も判断がつかなくなるからです。
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