季節の変わり目、心と身体の対策してますか?【Dr.純子のメディカルサロン】
朝夕で気温の差が大きく、何となく調子が悪いという方の声を聞きます。疲労感が続く、睡眠の質が良くない、朝起きた時にだるい、胃腸の調子が良くないなど体調不良で、気分が低下したりイライラしたりするなど精神的にも影響を受けている方もいます。季節が変化するときには体調管理が大事ですが、今年は特に暑さが長く続いた後、気温の乱高下が突然起きているため対策が不可欠です。簡単にできる対策を考えます。 (文 海原純子)
◇自律神経のバランスの乱れによる疲労感
気温が変化しても私たちの体温が一定に保たれているのは自律神経の働きによるものです。自律神経は意思とは関係なく生命を維持するために働いている神経で、循環・消化・代謝・体温調整などをコントロールしています。全身の活動を支配しているのが自律神経で、気温の変化の中でも一定に体温が保たれているのは自律神経の働きによるものです。気温の乱高下の中で自律神経が頑張って働いているということが分かります。自律神経はいわゆる戦うモードの交感神経とリラックスモードの副交感神経があり、交感神経は血圧を上昇させて心臓の拍出力を高め、消化吸収を抑制します。副交感神経は、血管を拡張させ、消化吸収を促進します。交感神経と副交感神経はうまくバランスを取ることが大事で、昼間は通常、交感神経優位、夜は副交感神経優位となっています。このバランスが崩れると全身の不調が起こります。 夏の間、寝苦しくて夜遅くまで起きているような状態で生活リズムが乱れた場合などはバランスの崩れが起こりやすくなります。自律神経のバランスが崩れると、消化器症状として、おなかが張る・食欲不振・下痢・便秘のほか、肩こり・頭痛・めまい・耳鳴り・倦怠(けんたい)感・疲労感が起こり、精神的な症状として、集中力の低下・うつ気分・やる気がでないなどの症状が表れます。 今の季節に感じている不調は、多くの場合、自律神経のバランスの崩れが背景にあると思われますので、その対策として、まず質の良い睡眠を確保することが必要です。