【楽天好き】創設20周年企画:「気持ちよく外国人選手たちが野球に専念できるように」。球団通訳の佐野朋生さん
球団創設から20年の節目を記念して、チームの変遷を知る様々なスタッフに話を伺います。シリーズ第6弾は、運営部で通訳の佐野朋生さん。チームの外国人選手が試合で活躍し、ヒーローインタビューに応じる時に隣で通訳するスタッフなので、球場や中継で見たことのある人も多いかと思います。この仕事の魅力や裏方として心がけていることなど、詳しく話を伺いました。
佐野さんは幼少の頃をアメリカで過ごし、帰国後も日本で英語を磨きながら大学では体育学部のスポーツトレーナー学科に進学。大学卒業後は、英会話の講師などを経て、2012年から今の職務を担っている。
今年で13年目になるが「プロの選手を支えるスタッフとして、プロらしく技量も内面も成長していかなければならない」と気持ちを引き締める人だ。コロナ禍には空いた時間を活用して、スポーツメンタルトレーナーの資格を取得したという。
「オンラインでしたが、メンタルのメカニズムをはじめ多くを学んだことで、あらゆる面での言葉選びに活かすことができました。適切なサポートにつながっているなと実感しています」。
向上心を持って続けられている理由は、球団通訳ならではのやりがいがあるからという。「もともと英語が使えて、スポーツに携わることができる仕事を目指していましたが、今の仕事は日々に『勝ち負け』があります。絶えず緊張感と刺激があることに、今も魅了されているのだと思います」。
今でも緊張しますかと尋ねると、「しますよ、めちゃめちゃします。いまだに自分に対して、合格点を挙げたことはないです。そこを追い求めることができるのも魅力なのかなと」。
通訳には事前準備が不可欠だが、試合内容は事前に準備できない。そのため、ヒーローインタビューの前は、通訳自身が試合を通じてポイントを抑えながら、問われる可能性のある質問を想定して準備するしかない。
通訳のモットーとして「崩しすぎても、作ってもいけない。本質を捉えてわかりやすく、しかもそれを瞬時に」を心がける佐野さんは、「当初よりは、想定質問の正答率は上がりましたが、まだまだです」と笑う。