【楽天好き】創設20周年企画:「気持ちよく外国人選手たちが野球に専念できるように」。球団通訳の佐野朋生さん
ヒーローインタビューの後は復習も欠かさないが、佐野さんには心強い味方がいる。同じ2012年に球団通訳として入社した2歳上の兄・周平さんだ。毎回すべて、チェックしてダメ出しをするのだという。
互いに通訳として切磋琢磨してきた当初からのルーティンで、周平さんは現在マーケティング本部で多忙な日々を送っているものの、合間に映像を見ては連絡し、具体的なアドバイスを送るのだという。
選手のサポートと自身の向上に余念がない佐野さんだが、今や球団では新しい通訳3人を育成する『先輩』だ。37歳にして、後輩とのジェネレーションギャップに苛まれているという。
「今の若い人に合わせてやっていかないといけないと思っています。なかなか想定外が多いですが、彼らがどういう時に落ち込むのか、自分がどう話せば伝わるかを考える日々です。なるべく相談してもらいやすくなるよう、コミュニケーションを取るよう心がけていますが」と語る。
通訳チームの技術向上と成長を目指して続ける。「ご存知のとおり、楽天イーグルスではここ数年ほど外国人選手が目立った活躍をしていません。そうした印象を拭うためにも、自分たち通訳チームが少しでもサポートを底上げできるよう、気持ちよく外国人選手たちが野球に専念できるようがんばっていきたいです」。
「そのためにも、若い後輩に成長していってもらいたい。僕が育成していかねばならない。僕もいまだに完璧な通訳にはほど遠いですが、日々誰もが失敗しながら成長していくものなので、100点満点じゃなくとも、60点、70点でいいので、100%の気持ちで取り組んでいってもらえるといいなと考えています」。
取材・文:松山ようこ/写真:楽天野球団提供
松山 ようこ