「第2波」緊急事態宣言なくなぜピークアウト? 大曲医師が見解
東京都は10日、新型コロナウイルスの感染状況などを分析するモニタリング会議を開いた。その後、記者会見した国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長に、記者から「第1波では政府が緊急事態宣言を出し、都でも幅広い業種で休業要請した。今回を第2波とするなら、休業要請など措置をしないなかなぜピークアウトしていると考えるか」と質問が出た。 【会見ノーカット】東京都、コロナ警戒レベルを1段階引き下げ 小池知事が会見
大曲氏はまず、「難しい質問。そもそも感染がどうやって立ち上がって収まっていくのか、ある意味自然現象なのかも知れないが簡単には説明できないところがある」と前置き。 そのうえで「いわゆる我々がいうところの『第1波』といまの状況を比べて、違ってきたなと思うのは、例えば感染している状況の中身が大分、分かるようになってきた。感染経路にしても会食がとか、具体的に見えるようになってきた」と説明。 そして「例えば、こういう飲食店でマスクを外してお話しをしたりとか、かなりリスクが高い場が目に浮かぶ形で具体的に分かるようになった。そこに絞って対策をしてきたのは前回との大きな違いだと思う」と続けた。「そうしたポイントを絞った対策はやっていくべきだというのが個人的な考え」と私見も添えた。 今後、再び感染拡大するとすれば、どのようなきっかけが考えられるか、との質問に対しては「われわれがまだ見い出せていないリスクがある場があるのかもしれない。そこから陽性者から出ているが、リスクが高い場だということが認識できないということがあると、認知するのが遅くなるかもしれない。言い方を変えればそういう場がないか、くまなく探していくことは大切だ」と指摘。 「飲食の場が話に出る。リスクが高いと分かっているし、そこで対策をすれば感染しないことは分かっているが、やっぱり人間がやることなので、気持ちが緩んでくるといままで通り元に戻してもいいじゃないかということが起こるかもしれない。そうすると患者は増える。(今後再び感染者が)増えるとすれば、そういうところからほころびが出るのではないかと個人的には思っている」と語った。