Go Toイート開始、各知事が判断を 「感染防止策徹底で実施可能」―西村担当相
政府は4日、有識者らによる新型コロナウイルス感染症対策分科会を開いた。その後の記者会見で、西村康稔経(やすとし)経済再生担当相は飲食店の需要喚起策「Go To EAT(イート)」について、「感染防止策を徹底すれば実施可能だ」と述べた。一方、事業を開始するか否かは「(各都道府県)知事が判断して事業を開始すべき」とした。同事業は農林水産省が所管しており、「本日いただいた意見を踏まえて進め方の整理ができれば、9月の中下旬以降順次事業が開始すると聞いている」と語った。 【中継録画】ワクチン接種やGoToイートなど議論 コロナ分科会後に尾身会長と西村大臣が会見 今回議論されたのは、Go Toイートの内、同一都道府県内で使えるプレミアム付き食事券を発行する事業。同席した尾身茂会長(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)は「今回の我々のコンセンサスとしては、各都道府県において、(分科会で示してきた)ステージ1とか2、感染がまだ下火でコントロールされている地域で実施することを基本として、3、4と判断される地域では開始すべきかどうかを含めて、あるいは開始した後に感染が確認された場合にどうするか慎重に判断してもらいたい」と述べた。
分科会では、感染状況、医療提供体制など6項目をもとに、下記の通り、ステージを4つ設定。これらの数値を目安に、各都道府県の知事がそれぞれの地域のステージを判断することになっている。 【ステージ1】:感染者の散発的発生。医療提供体制には特段の深刻な支障がない段階 【ステージ2】:感染者が増えてきて、医療提供体制への負荷が蓄積する段階 【ステージ3】:感染者の急増および、医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階 【ステージ4】:爆発的な感染拡大および、深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階 ステージを判断するにあたり、分科会が示した6項目は以下の通り。 「医療提供体制などの負荷」 (1)病床のひっ迫具合(病床全体・重症者用病床) (2)療養者数 「監視体制」 (3)PCR陽性率 「感染の状況」 (4)新規報告者数 (5)直近1週間と先週の比較 (6)感染経路不明割合 例えば、ステージの2から3に上がる目安としては、(1)の病床のひっ迫具合:「病床全体」「重症者用病床」ともに、最大確保病床の占有率が5分の1以上、または現時点の確保病床数の占有率が4分の1以上、(2)の療養者数:人口10万人当たりの全療養者数(入院者、自宅・宿泊療養者を合わせた数)が15人以上、(3)のPCR陽性率:10%以上、(4)の新規報告者数:1週間で10万人当たり15人以上、(5)の直近1週間と先週との比較:直近1週間の感染者が先週を上回る、(6)の感染経路不明割合:50%以上――などとなっている。