間違った場所に木を植えると温暖化が加速する
高緯度地域の効果的な温暖化対策
では、高緯度地域における温暖化はどうやって緩和すればいいのでしょうか? 研究チームは、大規模な植林よりも、カリブーのような大型の草食動物の持続可能な個体群を維持するほうが効果的だと提案しています。 大型の草食動物は、植物や雪の状態に影響を与え、ツンドラの明るい表面をより広く保ち、雪の断熱性を下げることで土壌の温度も低くなり、結果として永久凍土の融解を防ぐという間接的な役割を果たしているそうです。 このような理由から、高緯度地域では、生物多様性と地域住民の生活を守りつつ、今ある自然をベースにした温暖化緩和策を模索するのがベストで、そのためには地元の人々が対策を主導する必要があるとしています。 北極圏は、他の地域と比較して4倍近い速さで気温が上昇しているとも言われ、中緯度地域の極端な気象現象にも影響を与えていると考えられています。北極圏の温暖化は、中緯度地域に住む私たちにとっても他人ごとではないんですよね。 Source: Kristensen et al. 2024 / Nature Geoscience, Science Daily Reference: Carbon Brief, IPCC AR6
Kenji P. Miyajima