プール遊びする「子どもの裸体」、幼稚園がネット販売…保護者「許せません!」 児童ポルノ法違反の可能性も
実際に都内の保育園では「子どもの全裸・下半身露出」写真が販売サイトに掲載された
また「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という要件は、一般人を基準にして判断されるとされます。一方で、条例で入浴が許容されている「男湯の女児」の裸体については下記のような高裁判例もあって緩く解釈されています。 「比較的低年齢の女児の裸の画像では性的興奮や刺激を感じない人が一般人の中では比較的多数であるとしても、普通に社会生活を営んでいるいわゆる一般の人達の中にそれらの画像で性的興奮や刺激を感じる人がいれば、それらの画像は、一般人を基準としても、『性欲を興奮させ又は刺激するもの』であると解するのが相当である」(大阪高裁判決平成24年7月12日) さらに、公然陳列罪は、児童ポルノ画像を不特定または多数の者が閲覧可能な状態に置けば既遂になり、公然陳列の故意としては、児童の裸体画像を不特定または多数の者が閲覧可能な状態にすることを認識していれば足り、それ以上の性的な意図は不要です。 そうすると、幼稚園や保育園が、そのような写真をサイトにアップして、複数の保護者に閲覧させた場合、園側が児童ポルノ法違反(公然陳列:法定刑は最高懲役5年)が成立し、正当化する事由は乏しいと思われます。
●過去に都内の認可保育園でも同じような事案が発生している
奥村弁護士の解説は以上となる。 園内の保護者限りの閲覧であるかどうかを問わず、子どもの裸が第三者の目に触れることを嫌がる親は多い。 2022年には、都内の認可保育園で、子どもの全裸や下半身が露出した写真が販売サイトに約8カ月間掲載される事案が発生している。 【プロフィール】 奥村 徹(おくむら・とおる)弁護士 大阪弁護士会。大阪弁護士会刑事弁護委員。日本刑法学会、法とコンピューター学会、情報ネットワーク法学会、安心ネットづくり促進協議会特別会員。 事務所名:奥村&田中法律事務所 事務所URL:http://okumuraosaka.hatenadiary.jp/