ライバル企業がまさかのタッグ 環境問題や人手不足を前に、広がる「協業」
中川准教授は「フードロスや物流のドライバー不足などの社会課題は、1社だけではとうてい解決できない。また、他社と協業することで原材料の調達など自社のコストダウンにもつながります」と話す。 とはいえ、長年競ってきた企業が手を組むきっかけをつくるのは難しいとも映る。そんな懸念に対し、中川准教授は企業のトップが意識を変え、声を上げていくことに尽きると指摘する。 「特に大きな市場ではトップ企業がイニシアチブをとる必要が出てきます。例えば自社が持っているデータをオープンにして、協業のメリットをわかりやすく伝えることも方法の一つではないでしょうか」 競合から協業へと舵を切る日本企業。資源やノウハウをシェアしながら、新しい道を進み始めた。 国分瑠衣子(こくぶん・るいこ) ライター。北海道新聞社、繊維専門紙を経て2019年にフリーに。「週刊東洋経済」「弁護士ドットコム」などで取材、執筆。地方の中小企業と大企業の副業人材をマッチングするスタートアップでオウンドメディアも担当。