コーヒーから切り替えたくなる、お茶ならではの健康上の長所とは、脳の健康に期待の成分も
心を落ち着かせるお茶
コーヒーとお茶の大きな違いの一つは、テアニンという物質の存在だ。ベケット氏によれば、テアニンは非タンパク性アミノ酸の一種で、主に茶葉に含まれる。このおかげで、コーヒーに比べて不安感を高めずに覚醒度を高められる可能性があるという。 テアニンには鎮静効果があり、カフェインに敏感な人にとっては、カフェインによる神経過敏の抑制につながる可能性がある。「不安が軽減し、気分が良くなります」と南オーストラリア大学の栄養士エバンジェリン・マンツィオリス氏は話す。 また、テアニンは脳の健康にも際立った効果がある。研究によれば、テアニンは認知能力を高め、ストレスを軽減し、睡眠の質が改善することさえ示唆されている。 結局のところ、コーヒーかお茶かの選択は、個人の好みやライフスタイルによるところが大きい。「好きなものを飲んでください。どちらも好きなら、ぜひ両方を飲んでください。両方から少しずつ異なる恩恵を得られるためです」とマンツィオリス氏は語り、「食習慣がすべてです」と結論づけている。 しかし、カフェインの刺激を穏やかに楽しみたい人、抗酸化物質の効果を得たい人、そして、心を落ち着かせる習慣を求めている人にとっては、お茶の方がより健康的な飲み物と言えるかもしれない。
文=Rachel Fairbank/訳=米井香織