V5狙う駒大、青学大、勢いある國學院大の「3強」が軸 中大、創価大、城西大も上位有力/全日本大学駅伝
第56回全日本大学駅伝は11月3日、愛知・熱田神宮西門前から三重・伊勢神宮内宮宇治橋前をつなぐ8区間106.8kmで行われる。 5連覇懸かる駒大 山川拓馬が8区、伊藤蒼唯が3区へ主将の篠原は補員、佐藤は外れる/全日本大学駅伝 前回8位以内に入り、シード権を獲得した駒大、青学大、國學院大、中大、城西大、創価大、大東大、東京国際大、各地区の選考会を勝ち抜いた17校(関東7、関西4、北海道1、東北1、北信越1、東海1、中四国1、九州1)と、オープン参加の日本学連選抜、東海学連選抜を加えた27チームが競う。 駒大には5連覇が懸かり、前年度の箱根駅伝で圧勝した青学大、10月14日の出雲駅伝を制した國學院大の「3強」が優勝争いの軸となりそう。創価大、中大、城西大も戦力が整う。 ここではすでに発表されている各チームのエントリーをもとに、優勝争いとシード権争いなど見どころを紹介する。 出雲駅伝でも「3強」が先頭争いを繰り広げ、1分以内で3位までを占めている。青学大が1区鶴川正也(4年)の区間賞で先行したが、少しずつ後退。駒大は中盤で先頭に立ったものの、篠原倖太朗(4年)と國學院大・平林清澄(4年)とのアンカー勝負で平林に軍配が上がっている。
V5狙う駒大、厚い層の青学大、勢いのある國學院大
「3強」の中でも、大会最長の5連覇が懸かる駒大は、最多優勝回数の16回を数えるほど伊勢路では強さを示してきた。今年も戦力は充実している。牽引する篠原倖太朗(4年)は5000mで屋外の日本人学生最高となる13分14秒70をマークし、今季は安定感のある走りを見せている。出雲の悔しさもぶつけてくるだろう。 また、選手層は新鋭、中堅に勢いが出てきている。9月末の日体大長距離競技会5000mでは8人が14分を切り、うち6人が自己新。特に1年の桑田駿介が13分39秒47を出し、5戦連続の自己新となった。「もうひとつの出雲駅伝」と称される出雲市陸協記録会では谷中晴(1年)が13分49秒71で1着を占めている。懸念はエースの佐藤圭汰(3年)がメンバーエントリーから外れたことだ。 過去2年の全日本では、佐藤が2区で主導権を握り、篠原は3、5区で圧勝につなげてきた。3区に配置された伊藤蒼唯(3年)の走りや、補員登録だが当日変更となる可能性の高い篠原、帰山侑大(3年)、桑田らの配置がポイントで、アンカー山川拓馬(3年)にどれくらいの位置で渡すことができるか。 青学大はトラックシーズンから充実している。5000m13分台が26人という圧倒的なスピードがある。1区には関東インカレ2部1500m2位の宇田川瞬矢(3年)、2区には日本選手権5000m4位と今季好調の鶴川を配し、前半から主導権を狙いに行く。3区に折田壮太、4区に黒田然とルーキーを並べ、後半区間は実力のある上級生を並べた。 ただ、箱根駅伝3区で超人的なタイムをマークした太田蒼生(4年)、同2区区間賞の黒田朝日(3年)、箱根6区2位の野村昭夢(4年)が補員登録。当日変更の可能性の高い太田、黒田の起用区間が最大のポイントになる。 出雲ではやや波のあるレース運びとなったが、誰かを欠いても厚い選手層がある。適性と調子を見て選りすぐっての配置となるだろう。 「3強」の中で最も勢いがあるのは、國學院大だ。エントリーメンバーの10000m平均タイムはトップ。前回メンバー7人が残り、前回は2位の青学大とはわずか5秒差で、2区以外は区間6位以内と安定感は高かった。前回以上に戦力は整っている。 2区に青木瑠郁(3年)、6区に山本歩夢(4年)といった実力者を配置。出雲駅伝で優勝のゴールテープを切った主将の平林清澄(4年)や関東インカレ2部ハーフマラソン3位の高山豪起(3年)、上原琉翔(同)ら強力なトップ層を補員に登録。前半後半ともに対応できる布陣だ。 出雲では好位置でレースを進め、終盤の5区で逆転しての優勝。初優勝を狙う全日本に向けての良いイメージがあるだろう。