V5狙う駒大、青学大、勢いある國學院大の「3強」が軸 中大、創価大、城西大も上位有力/全日本大学駅伝
中大、創価大、城西大も強力
「3強」に次ぐ存在として、中大、創価大、城西大も力がある。前回わずか10秒差で4位だった中大は箱根駅伝予選会の影響がどの程度出るか。前回は、3区以外は区間6位以内に収める安定感が光った。10000mで27分台に突入した溜池一太(3年)、5000m13分22秒01を持つ吉居駿恭(同)のダブルエースはいずれも箱根駅伝予選会を回避した。 今回は溜池を1区、箱根駅伝予選会で個人24位と好走した岡田開成(1年)を2区に据え、7区に吉居を配置。日本選手権3000m障害2位の柴田大地(2年)が外れているが、前回8区4位の阿部陽樹(4年)が再びアンカーに回った。岡田、並川颯太、佐藤大介ら活気ある1年生の起用と、予選会チームトップの白川陽大(3年)の走りがカギを握る。 創価大と城西大は初のトップ3入りが視野に入る。創価大は2年前に初出場し、5位、6位と推移。前回5区区間新の吉田響(4年)、出雲駅伝を回避したスティーブン・ムチーニ(2年)が補員登録だが、石丸惇那(3年)を3区、主将の吉田凌(4年)が7区に入った。 関東インカレ2部5000m7位の小池莉希(2年)がメンバーから外れているが、昨年の日本インカレ10000m9位の小暮栄輝(4年)、関東インカレ2部3000m障害1位の黒木陽向(3年)らが脇を固める。出雲駅伝でも2区吉田響が区間賞の走りを見せ、一時は先頭に立っており、流れに乗ってしまえば、そのまま突き進みそうだ。 城西大は三大駅伝すべてで選考会や予選会を経ない初のシーズン。腰を据えた強化を進められたことで、選手権大会の活躍や多くの自己新を生んでいる。前回は1区17位の発進から3、4区のヴィクター・キムタイ(3年)と、斎藤将也(同)の連続区間賞で一気に2位に浮上した。 今回もキムタイが3区、斎藤を4区に並べ、関東インカレ1部ハーフマラソン7位の久保出雄太(4年)が7区、同10000mで日本人トップと躍進した主将の平林樹(同)がアンカーで待ち構える。より斎藤とキムタイの破壊力が増す。しかし、選手層は厚くはなく、上位をキープするには主力が実力を発揮する必要がある。 上位候補6校に加え、8位までが得られるシード権争いも激戦となる。東洋大、早大、大東大がその争いに絡んできそうだ。東洋大はチーム平均で昨年より10000mが10秒以上アップ。大東大と早大は5000mと10000mのどちらも伸ばしている。 前回14位から巻き返しを期す東洋大は関東地区選考会を2位で通過した。松井海斗(1年)、綱本佳悟(3年)、石田洸介(4年)がそれぞれ1~3組のトップを奪い、4組で4年生の小林亮太と梅崎蓮が28分台をマークしている。 出雲駅伝では石田、梅崎は登録されなかったが、今回は梅崎が3区、石田を6区に起用。1区には安定感の高い小林亮太(4年)、7区には緒方澪那斗(3年)、8区に岸本遼太郎(同)と実力のある上級生を並べた。 早大はエースの山口智規(3年)を2区に起用し、前半から上位でのレースを見据える。後半に備えればバランス型の布陣になる。4区に駅伝主将の伊藤大志(4年)5区に10000m27分台の石塚陽士(同)を据え、後半区間にも伊福陽太(4年)や工藤慎作(2年)がいる。出雲では前半型のオーダーで乗り切れなかったが、後半区間で順位を上げられたことはプラスの材料だ。 大東大は前回、6区のピーター・ワンジル(4年)を軸に、堅実につないで18年ぶりにシード権を獲得した。前半は粘ってタイム差を小さくとどめ、中盤以降で盛り返していく。箱根駅伝予選会を経ないため、スピードを高めて臨める点が前回までにない利点。今季も多くの自己新が生まれ、補員登録の西川千青(4年)をどこで起用するか。