【京都の展覧会】伊藤若冲の“激レア”な巻物も!年始に行きたい「初」尽くしの美術展3選
木工芸分野で初の人間国宝である黒田辰秋の生誕記念展や、世界遺産認定後、中国国外で初の大規模なシルクロード展、伊藤若冲の巻物が初公開される展覧会。「初」をキーワードに、これからの時期に京都で開催される注目の催しをご紹介します。
京都国立近代美術館「生誕120年 人間国宝 黒田辰秋―木と漆と螺鈿の旅―」
1970年に、木工芸の分野では初めて人間国宝に認定された木漆工芸家、黒田辰秋。その生誕120年を記念し、初期から晩年までの作品を通してその生涯と造形思考を繙く展覧会が開催されています。 黒田辰秋は、京都・祇園で漆匠(しっしょう)を営む父のもとに生まれ、独学で木漆工芸の技術を身につけます。当時の木漆工芸において一般的だった分業制に疑問を持った黒田は、全工程を自身で行い、独自の作風を生み出しました。柳宗悦を指導者とする「上加茂民藝協團」を立ち上げるなど、民芸運動に関わったことでも知られています。 初期の代表作《螺鈿総貼小棚》(1941年)は、京都会場のみの限定公開。光沢のある貝殻の薄片を張り付ける螺鈿(らでん)技法を駆使した、初期の代表作です。
1968年に皇居の新宮殿に収めた《朱溜栗小椅子》は、造形美を追求した末に生み出された、黒田の理想の椅子。会場には制作に協力した飛騨産業株式会社に残されていた小椅子および卓子の控品(完成品の予備)だけでなく、試作品も展示。理想の造形に辿り着くまでの過程を想像しながらご鑑賞ください。 【生誕120年 人間国宝 黒田辰秋―木と漆と螺鈿の旅―】 会場/京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町26-1) 会期/~2025年3月2日 開館時間/10時~18時(金曜日は20時まで開館) ※入館は閉館の30分前まで 休館日/月曜日(ただし、1月13日、2月24日は開館)、1月14日、2月25日、年末年始(12月29日~1月3日) 入館料/当日:一般1,200円 大学生500円 ※高校生以下・18歳未満、心身に障がいのある方と付添者、ひとり親家庭の世帯員は無料(要証明書)