名古屋城木造復元用の松に大谷翔平選手のサイン「こんなええ話ない」 河村市長が会見
名古屋城木造復元用の松に大谷翔平選手のサイン「こんなええ話ない」 河村市長が会見
名古屋市の河村たかし市長は20日、市役所で定例記者会見に臨んだ。名古屋城天守の木造復元に使う予定だという岩手県奥州市の松の切り株に、同市出身の大リーガー、大谷翔平選手からサインをもらったとして披露。河村市長は「ありがたい。こんなええ話はにゃあですよ。(野球のWBCが盛り上がっている)ちょうど今が旬中の旬。早うお城も造らないかん」と、復元計画の進展に向けた話題作りをアピールした。 【動画】名古屋・河村たかし市長が定例会見(2023年3月20日)
WBC壮行試合で名古屋入りの3月4日にサイン
松は奥州市の月山神社が保有する境内の山林で伐採された「月山松(がっさんまつ)」で、樹齢は推定350~400年。直径80センチほどの幹を、復元天守の3階床を支える最長約16メートルの梁に使用する予定。 大谷選手には松の由来や名古屋城の復元計画について説明した上で、WBCの壮行試合のため名古屋入りしていた3月4日にサインをしてもらったという。切り株の表面にサインと日付、大谷選手の背番号「17」の数字が添えられている。4月14日から5月7日まで、名古屋城本丸御殿の上御膳所で展示される。 一方、復元計画はこの年度内に文化庁へ提出する整備基本計画をまとめる予定だが、石垣の専門家らの慎重論は残り、完成するには最短でもあと10年かかるとの見方も示されている。河村市長は完成時期について「市としての確定した意見ではない」とした上で、「有識者や文化庁には一刻も早く造ってほしいという名古屋の人たちの期待をぜひ理解してほしい」と訴えた。
護憲集会への後援拒否「政治的中立性確認できる資料出なかった」
毎年5月3日の憲法記念日に弁護士や文化人らの団体が市内で開催している護憲集会に対して、市が今年の後援を認めなかったことについては、「市が後援する以上は政治的中立性が保たれているかどうかを確認できる資料を要求したが、それが出なかったのでご遠慮いただいた」と説明。 1974年から50年近く後援を続けていた市がなぜ方針を転換したのかとの問いには「やっぱりトリエンナーレで、わしもこんだけ文句言っとるんですから」と、表現の不自由展が物議を醸した2019年のあいちトリエンナーレの影響を示唆した。主催団体の「愛知憲法会議」は今回の市の決定に対して抗議文を提出している。 (関口威人/nameken)