店主自ら狩猟も! 上質なジビエのコースを1万円台で楽しめる、隠れた名店
オーナーシェフの中里寛さんは都内のホテルで料理人として働いた後、飲食コンサルタントとして働きながら自身でもレストランを経営。「食いしん坊のための愛情レストラン」というテーマのもとに、国産ジビエと熟成肉をメインに扱う新生「グルマンズ」が生まれたのは2021年のことだ。「食肉を扱う立場として、害獣駆除の問題に向き合うことはとても大切だと思います。それと同時に、おいしい日本のジビエの魅力を伝えたいという気持ちも強いです」と中里さん。5年前には狩猟免許を習得し、休みの日はもちろん、わずかでも時間があれば狩猟に出掛け、寝る間を惜しんで健やかなおいしさを持った“特別な獲物”のポテンシャルを最大に生かすための仕込みをする。
店に置かれたコルクボードには、全国のハンターから届いたジビエの紹介が。この日は北海道のヒグマや小田原のアナグマ、めずらしい鹿児島の金毛のイノシシがずらり。「北海道にヒグマと鹿専門のベテランハンターさんがいるんですが、今の時期のヒグマは脂がのっていて本当においしいです。1年に1度、仕入れることができるかどうかというくらい希少な金毛のイノシシも旨みをたたえたむっちりとした肉質で味の余韻がとても長い」とうれしそうに話す中里さん。
おいしいジビエ料理のためには3つの条件がそろっていることが大切と言われる。1つ目は、ハンターの腕が良く、素材そのものの質が良いこと。2つ目は国の認可の食肉処理施設で、しっかりと精肉処理が行われた安心、安全なジビエを使うこと。そして3つ目はもちろん、料理人の技術が高く、ジビエを深く理解していること。寸暇を惜しんでジビエに全力を注いでいる中里さんの姿を見れば「この店でジビエを食べるのが大正解!」だと心の底から思えるはずだ。
川井さん「自身でも鉄砲を撃ち、積極的に猟銃ネットワークを広げるなど、シェフの人間力に魅力を感じます。もちろんジビエへの知識、命をいただく動物へ感謝の思いを持ちながらの取り組みなど、とても勉強になります。」