70代の母が入院を機に介護施設に。「実家の片づけ」で思いがけず苦労したこと
ひとり暮らしだった70代の母が、入院を機に介護施設に入居。それに伴い「親の家の片づけ(親片)」を余儀なくされた、ライフオーガナイザーの尾花美奈子さん。母は整理収納が得意だったものの、それでもたくさんのものが残っていたそうです。ここでは、尾花さんが思いがけず苦労したことをご紹介します。 【写真】キレイに片づいた実家
片づけ上手な母でも一戸建ての家にはたくさんのものが…
70代の母親が介護施設に入居したのをきっかけに、実家を売却することになり、1年かけて残ったものを整理した尾花さん。 「母はもともと片づけが得意なタイプ。父が亡くなったあと、少しずつ不用品を処分するなど、家の整理を始めていましたが、それでも長年住んだ一戸建ての家には、たくさんのものが。母が整理しきれなかったものも多く残っていて、大変な作業でした」(尾花さん、以下同) 介護施設に持っていくものを選定するため、まず取りかかったのは洋服や寝具、日用品など。 「衣類は肌触りや施設での使いやすさを考えて厳選。タオルやティッシュなど消耗品のストックもたくさんありましたが、施設には全部置けないし、たりなければ近くで買えるので、寄付しました」 手間はかかりましたが、すべてを業者まかせにせず、大部分を自分で片づけたメリットも大きかったと言います。 「処分費用をかなり節約できたし、本当に思い出深いものは手元に残すことができて、後悔がありません。私は今50代ですが、3階建ての実家の上階からものを運び出す作業はしんどく、階段を踏み外さないかヒヤヒヤしたことも。 年齢を重ねたら、ものは少ない方が、安全に、快適に過ごせます。ものが多すぎると、結局大切なものとそうでないものを区別できず、最後は業者まかせですべて処分ということにもなりがち。元気なうちに家の中のものを整理することの大切さを実感しました」
尾花さんの「親片」ヒストリー
2014年7月に父親の他界により、実家の片づけを開始することになった尾花さん。文房具、工具、本などから処分していくことに。2018年頃には、一部のコレクションを残し、衣類・釣り道具なども処分が完了。ケガ防止のためキッチンシンク上の大型の調理器具、ピアノなどを処分していきました。 2021年11月に母親が入院。12月から介護施設へ入居することが決まります。尾花さんは、週2回、計10回ほど実家を訪れて片づけていました。しかし、12月中旬以降、新型コロナウイルスオミクロン株による感染者数増大のため、片づけを中断することになります。 そして、2022年5月。片づけを再開することに。6月までに計6回訪問。夏場は中断し、9月下旬~11月下旬まで3、4回訪問して片づけ完了させました。