【高槻発】農業×エンタメで切り拓く未来 ぶどう農園を地域活性化の拠点となる「農業テーマパーク」に
農業系スタートアップのノウタスが、人気アイドル・村上信五さんをプロジェクトリーダーとして立ち上げた「パープルM」。その拠点となるのが、大阪府高槻市にある「ノウタス高槻農園」です。 ここからぶどうを取り巻くどのような課題解決にチャレンジしていくのでしょうか。
【髙橋明久 Akihisa Takahashi】 ノウタス代表取締役会長 大学卒業後、商社を経てNTTデータにて金融インフラの戦略企画を担当。アクセンチュアなどのコンサルファームで多くの新規事業をリードする一方で、家族の農業支援、農業イベントの企画運営なども活動。 2022年、農業に人や企業、技術を足すノウタスを創業。 一般社団法人 農林水産ダイバーシティ推進連盟代表理事。ネットプロテクションズ EVP of Consulting。
出身地の高槻からぶどうを
大阪府高槻市樫田地区にある「ノウタス高槻農園」。ここはノウタスが大阪府高槻市と包括協定を結び、2024年6月にオープンした農園で、同社が村上信五さんをリーダーとして進める「パープルM」の拠点でもあります。 そもそも、なぜ高槻市でぶどうなのでしょうか。実は大阪は日本有数のぶどうの産地で、高槻市は村上さんとノウタス代表取締役会長の髙橋明久さんの出身地でもあります。 髙橋「村上と初めて会ったときに、その場で生まれたアイデアが『パープルM』です。偶然にも僕も村上も高槻市出身だったので、『じゃあ、高槻でぶどうをやりたいね』という話が最初から出ていました」 「パープルM」の始動と共に早速リサーチしたところ、高槻市樫田地区で10年ほど前にぶどうのパイロット農園を立ち上げていたことがわかりました。しかし、Googleストリートビューで現状を確認してみると、荒れ果てた様子で耕作放棄地にしか見えません。
早速、2人で現地に行ってみると、確かに以前はぶどう農園をやっていましたが、5年ほど前の台風被害を機に放置されていることがわかりました。しかし、「高槻でぶどうを作って出荷していた実績」は、「パープルM」の計画を後押しするものでした。 髙橋さんと村上さんはその足で、高槻市役所ヘ向かい、偶然、居合わせた濱田剛史市長に直談判。トントン拍子で高槻市との話が進み、耕作放棄地をノウタスに貸し出してもらうことが決定します。 地域の過疎化と農業の担い手不足が課題となっていた高槻市にとっても「パープルM」のぶどう農園は農業活性化の意味で大いに魅力がありました。 住民や関係各所への説明会には、村上さんもプロジェクトリーダーとしてオンラインやオフラインで参加。ぶどう農園にかける熱意を直接説明するなどの努力が実り、「ノウタス高槻農園」がオープンすることになりました。