【徹底解説】「インターナショナルスクール」基本のキ!選び方や受験、学費etc.|VERY
Q4インターに通うことでのデメリットは?
学費の高さは、大きなデメリットです。年間授業料は、毎年値上がりをすることが多く、施設費なども高く、学校にもよりますが、年間300万円はかかります。 また日本の国籍があり、国内に住んでいる親は、子どもを小学校、中学校に通わせる義務があります。インターナショナルスクールの小学部、中学部は、多くの場合、義務教育を履修したとみなされません。もし子ども本人がインターへ入学したものの通いたくない、不登校になる、という場合は子どもの学ぶ権利を含め、各自治体の教育委員会などに相談しましょう。 また、母国語の揺らぎは中高生で顕著になってきます。聞く、話すという部分の母国語力は表面的にはできても、意味の深さや語彙の少なさなど読み書きは小学生のレベルのまま、というケースもあります。読み書きなど家庭でケアすることが重要です。ただその一方で、私がインター卒業生の母国語力として興味を持つのが、彼らが日本で働き始めてからです。メールや電話、会話もかなり社会人としてしっかりした母国語に育つことがあります。会社の社員研修の賜物かもしれませんが、社会人になると必要に迫られ母国語力が伸びるケースも多々あります。
Q5村田さんが感じる、インター生の未来や可能性って?
日本におけるインターがますます増えているのが現状です。イギリス系のインターもさらに近年中に増えるという話も耳にしています。そんな中、2000年ごろから制度改正が行われ、インター卒業生が高等学校卒業程度認定試験を受けなくても受験できるよう日本の国立大学、公立大学含めて受験制度が整い始め、選択肢も増えてきました。国内大学進学への可能性が広がってきたほか、国内外の大学を卒業後、外資系企業やIT企業に就職、さらにその後MBAあるいは博士号を取得しに海外大学や大学院へ、など世界でも闘える人材になっていく傾向があります。例えば、英語で学べるコースがあり学費がかからないドイツの大学院へ、アメリカの大学院へ…など、グローバルな視点で学ぶ場所を選ぶ人が増えている印象です。いずれにしても国を超えた活躍をする人材が育成され、自身の目標や志次第でさらにグローバルに生きていく力が培われるのではないでしょうか。 イラスト/masashi takeda 取材・文/金沢由紀子 編集/中台麻理恵 画像/AC ※一条校のインターナショナルスクールでない限り、保護者による就学義務を履行したことになりません。インターナショナルスクールへの就学についてはご自身、ご家族で判断ください。また、読者の体験談はすべてのケースに当てはまるものではありません。お住まいの自治体などへの確認をお願いします。 ※VERY2024年10月号「インターナショナルスクールの最新が気になる」より。 ※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。