第28回 東京モーターショー1989 日産編【1】平成バブル極まれり! 第3弾パイクカーパオも登場!
第28回 東京モーターショー1989 日産編【1】 年号が昭和から平成に変わった1989年はバブル真っ盛りだった。平成バブルと言われ、日経平均株価は一気に4万円目前まで上昇する。リゾート産業も元気だ。ゴルフ会員権が高値で取り引きされ、スキー場や観光地は人であふれた。国民すべてが、世界中で一番の経済大国になったんだ、と酔いしれていたのである。自動車業界も快調だ。4月に導入した消費税が追い風となり、高級車は販売を伸ばした。 >> 【画像11枚】1989年、東京モーターショーで日産から発表されたクルマたちは今でも愛される名車揃い。ショーを前にモデルチェンジして4代目となったZ32フェアレディZも登場 日産も一時期の不振がうそのように販売実績を伸ばしている。88年に発売したシーマは「シーマ現象」を巻き起こし、89年も売れ続けた。また、モデルチェンジしたシルビアや新感覚セダンのセフィーロも好調だ。89年5月にデザインからメカニズムまでを一新したスカイライン、その兄弟関係にあるローレルもクリーンヒットを放っている。Be-1に続くパイクカー第2弾のパオにも予約が殺到した。 日産ブースは展示面積を広げ、華やかな演出を行っている。もっとも大掛かりなステージに置かれたのが、知的高性能セダンを掲げたNEO-Xだ。2年前のショーに出品したセダンのコンセプトカー、ARC-Xの正常進化版で、大柄なボディにインフィニティQ45の4.5ℓV型8気筒DOHCエンジンを搭載した。今につながるファジー推論によるAI制御や赤外線暗視装置、電子制御エアサスペンションなど、高度な技術をてんこ盛りしている。空気抵抗係数はCd=0.26だ。 パイクカーは、パオに続く第3弾を発表している。コンバーチブルボディに格納式のトップを組み合わせたレトロ感覚の個性派オープンカー、フィガロだ。ペパーミントグリーンのボディにクロームメッキのグリルやバンパー、モールなどが映える。ホワイトで統一したインテリアもしゃれていた。このフィガロは91年2月に、ほとんど手直しすることなく発売されている。 また、エスカルゴに続く商用パイクカーもベールを脱いだ。シャポーである。横開きのバックドアを採用するコンパクトサイズの2ボックカーだが、背を高くして居心地のいいキャビンを実現した。デザインの提案モデルだったが、21世紀になって登場した2代目キューブと酷似している。 NEO-X ARC-Xの後継として展示された「人に優しい知的高性能セダン」と称したNEO-X。インフィニティQ45のパワートレーンを搭載し、最先端メカもてんこ盛りする。エアロダイナミクスにこだわり、Cd値は0.26だ。 日産ブースと3000万人目の入場者 このショーでは第1回から回を重ね、28回で観客動員数が3000万人に達したことが発表された。3000万人目の来場者には花束が送られている。
Nosweb 編集部