リョービ、車載モータ部品へ新鋳造技術の適用目指す
アルミダイカスト製品大手メーカーのリョービは部品の設計自由度を向上できる新鋳造技術について、車載モータ部品への適用を目指している。技術は金型や鋳造時の条件などを工夫し、製品を型から取り出すために必要な抜き勾配を限りなくゼロに近づけるもの。モータ向けに用いれば高出力化や小型・軽量化などに寄与できる。 勾配を抑えつつも型から製品をスムーズに取り出せるよう、中空部分をつくるための金型である中子については、製作に3Dプリンタを用いて内部に水冷機構を形成。溶湯の冷やし方を精密に制御する。また鋳造条件については溶湯が完全に固まる前に取り出す早抜きと呼ばれる手法を採用する。 同社では現在までに車のボディー部品などで抜き勾配を抑える新鋳造技術を用いているが、今後はさらに難易度の高い車載モータ部品にも適用を広げたい考えだ。モータでは水冷のための流路を内部に設けたウオータージャケットと呼ばれるケースでの採用を目指している。抜き勾配をゼロに近づけることで流路をより広く設計することが可能になり、冷却性能が向上。これによりモータの高出力化やコンパクト化に寄与できる。また勾配の形成に用いる肉厚を軽減することなどで、軽量化にもつながる。 車載モータへの新鋳造技術適用に向けて現在技術開発を進めており、同社ではその内容を14日にパシフィコ横浜で開幕した日本ダイカスト会議・展示会で紹介している。