発達支援のプロが教える!発達障害のある子が伸びる声かけ・褒め方・叱り方
悩み実例①「じっとしていられない」「すぐに気が散ってしまう」
小嶋:教室の中であれば、まずは座席について配慮します。たとえば音に左右されやすいお子さんの場合、席が廊下側にあると、誰かが通っただけで気が散ってしまう。視覚からの刺激で気が散ってしまう子や外を見て空想を始めちゃうようなお子さんであれば窓際ではなく、先生の目の前がいいかもしれません。また、アメリカでは光に過敏なお子さんへの対応として、教室のLEDのライトが刺激になるということでフィルムを巻いて薄暗くしていました。 りっきー:長男は、通っている小学校にピントキッズという姿勢サポート用のクッションを持ち込んでいて、そのおかげで授業中にモゾモゾすることが減りました。長男の場合は家庭でも学校でも「変わらない」ことが安心につながる、ということがわかったので、家でも同じものを使っています。小学校に上がるときにもそれを意識しまして、年長の頃から筆箱や鉛筆を使わせて、同じものをそのまま小学校にも持って行っています。入学予定の小学校から時間割をもらってきてそれを家で貼ってイメージを膨らませたり、小学校で飼っているウサギを見に行ったり、給食について教えたりと、なるべく突然の変化がないように心がけていました。 小嶋:僕ら学校現場の人間からしたらですね、りっきーさんはスーパー保護者ですよ。こんな親御さんがいたら、どんどん教えてもらおうみたいになるので、学校の先生も心強かったと思います。そして家庭と学校の環境をなるべく同じにする、というのは非常に有効だと思います。それと年長のころから小学校の環境を意識して慣れさせていたというのも、安定して過ごす要因となるので子どもを伸ばしますね。学校への持ち込みについても最近は理解が進んでいるところも多いので、学校へ相談してみるといいかもしれません。一方で、まだ先生方がその子にだけ特別なことはできないと判断するケースは多いな、というのも実感としてあります。そこは特別なニーズがあるんだということを、周りの子にどう説明するのか、周りの子がどう理解するのかという、教育が日本ではまだまだ薄いんですね。それが完成した時に、ようやく持ち込みや特別支援も自然になってくるのではないかなと僕は思います。