なぜ勝負?なぜ外野前進?阪神がマルテ一撃で決死ドローも8回の矢野采配に疑問
阪神が30日、甲子園球場で行われたヤクルト戦を引き分けに持ち込んだ。1点を追う8回にジェフリー・マルテ(30)のポール直撃の13号ソロで追いついたものだが、勝ち越しを許した8回の守りには疑問の残る矢野采配があった。2位、巨人の連勝がストップしてゲーム差は「3」に広がったがこういう1勝を逃した試合が後々響いてくることになる。
野球「あるある」ファウル落球の後に同点アーチ
野球「あるある」である。1点を追う8回一死走者無しの場面でマルテはヤクルトのセットアッパー、清水が投じた初球のストレートを打ち損じた。ポーンと打ち上げた打球は一塁側のファウルグラウンドへ。守備固めで入ったばかりのヤクルトの一塁、荒木は、十分に打球に追いついていたが、後ろ向きに追いかけていたこともあって、グラブに当てて、まさかの落球。こういうプレーのあとは何かが起きる。 落胆の投手心理が理由だろう。 カウント1-2からの外のストレートにマルテが食らいつく。一度はライトフェンスにぶつかって跳ね返ってきたとジャッジされた打球を「ポールに当たったんじゃないか」と矢野監督がリクエスト。 ライトポールを直撃したことが確認されて、2-2の同点の13号ソロに判定が覆ったのである。その後、両軍のブルペンが踏ん張って試合はドロー。矢野監督は「8回という残り少ない中で、取られた後にすぐ追いついてくれたのは明日につながるし負けなかったのは大きい。向こうも勝ちパターンのピッチャーがどんどん投げてくる中で、ヒット、ヒット(を続けるの)は難しい。いい本塁打だった」と、敗戦を救ってくれたマルテを称えた。 引き分けには負けに等しい引き分けと、勝ちに等しい引き分けがある。この試合で言えば「勝てた引き分け」。2失点は防げるものだった。矢野采配への最大の疑問は1-1で迎えた8回の守りにあった。 この回からセットアッパーの岩崎を投入。二死二塁でサンタナを迎えた場面である。ベンチからは福原投手コーチが出て、マウンドで協議した結果、岩崎はサンタナとの勝負を選択した。しかも、二塁走者が俊足の渡邉だったこともあって外野は極端な前進守備を敷いた。その初球に梅野は外に構えていたがチェンジアップが内側にきてストライク。2球目に梅野は、また外に構えていたが、外角のストライクゾーンに入った144キロのストレートをサンタナがパンチショット。打球はライトを襲った。佐藤は懸命に背走。捕球できるかと思われたが、少しよろけてしまい打球は頭上を越えていき、勝ち越しのタイムリーツーベースとなった。