巨人復帰初先発で642日ぶり白星の山口俊は阪神追撃の救世主となれるのか?
メジャーリーグのジャイアンツ傘下マイナーチームのサクラメントを退団、2年ぶりに巨人へ復帰した山口俊(33)が23日、富山で行われた横浜DeNA戦に先発、5回3分の2、101球を投げ、5安打5奪三振2四球、柴田竜拓(27)に浴びた本塁打による1失点だけにまとめ2019年9月20日の横浜DeNA戦以来642日ぶりとなる日本での勝利をマークした。ストレートの最速は151キロで武器であるフォークを配球の約32%と多用した。巨人は4連勝。果たして山口は、首位阪神を追う巨人の救世主となれるのか?
「途中加入だから結果しかない」
富山アルペンスタジアムのお立ち台に最初に呼ばれたのは山口だった。642日ぶりとなる日本での凱旋勝利。2打席連続の本塁打でサポートしてくれた丸とグータッチをしてからマイクの前に立った山口は、司会者に、まずはひとこと(復帰の)ご挨拶をいただけますか?とふられ「約2年ぶりにまたこうやってジャイアンツのユニホームを着て、この温かい声援の中で投げられること、すごく楽しかったです。ありがとうございます」と照れ笑いを浮かべた。 「途中加入ですし、もう結果しかないと思っている。しっかりとチームが勝てるように投球することだけ考えて投げました。ちょっと中途半端な感じだったので僕がここに立っていいのかどうかっていうのが(ありますが)勝たせてくれてありがとうございます」 地方球場に6試合5勝と強い男は、やはり頼もしかった。 立ち上がりは苦しかった。 先頭の桑原にフォークを痛打された。打球はレフトフェンスを襲ったが、松原がジャンピングキャッチ。ファインプレーに山口は助けられたが、続く柴田にも甘い146キロのストレートをライトへ引っ張られて99.1メートルのフェンス越えの先制アーチを許す。 さらに佐野にも落ちないフォークをレフト前へ運ばれた。3回に勝ち越し7号2ラン、6回にもダメ押し8号ソロで援護した丸が、「俊さんは緊張していたようなので」と振り返るほど緊張とプレッシャーがあった。コントロールがバラつきストレートのスピードも140台前半から後半と安定していなかった。 だが、オースティンをフォークで三振。宮崎をスライダーでレフトフライに打ち取り最少失点でピンチを切り抜けた。 3回にも一死から桑原に抜けたフォークをレフト線に引っ張られて二塁打とされた。だが、柴田を三振、佐野を内野ゴロ。いずれもフォークだった。回を増すごとにキレとコントロールを修正していた。