8強進出見えた?!なぜ東京五輪で男子バレー日本代表はカナダに逆転勝利し連勝できたのか…「ゾーンに入っていた」
東京五輪男子バレーボールの1次リーグが26日に江東区の有明アリーナで行われ、日本がカナダを相手に第1セットを奪われながらも3セットを連取し逆転勝利を果たした。粘り強い守りから攻撃への切り替えが機能。怪我が心配された西田有志(21、ジェイテクト)の強打と石川祐希(25、ミラノ)のパイプが効果的で高橋藍(19、日体大)を含めたサイドアタッカーの3人が攻守に奮闘して失いかけた流れを引き寄せた。これで初戦のベネズエラ戦に続く連勝。6チーム中上位4チームが進むことができる準々決勝へ事実上の“王手”をかけ残る強豪3か国との試合に弾みをつけた。
元代表監督・植田辰哉氏の分析は?
最後も西田だった。粘り強くボールをつなぎ、石川が上げたトスを西田がねじこんだ。無観客の有明アリーナに歓喜の雄叫びが響く。第4セットは5点差をつけ世界ランキングで言えば10位の日本より上位となる7位のカナダをセットカウント3-1で突き放した。 チームトップの23得点をマークした西田がフラッシュインタビューに答えた。 「オリンピックは特別な舞台と言うのを肌で感じた。コンディション的にチームに迷惑をかけていた。我慢するところを我慢して得点につなげることができた。まだまだ上にいける。改善すべき点はあるが、1勝したことをしっかりと感じ、次の試合につながるように改善していきたい」 第1セットは互いに譲らぬ展開の中で日本の小さなミスが出て23-25で落とした。1点を争う終盤のサーブミスも響いた。だが、小野寺のブロックポイントから始まった第2セットを奪い返すと、第3セットでは、西田の打点の高いスパイク、石川のパイプ(バックアタック)、高橋の強打が面白いように炸裂して途中最大5点差をつけるなど完全に流れを引き寄せた。 第4セットも粘り強いディグからラリーをつなぎ、西田のサービスエースにカナダのミスも重なり、序盤にたて続けに3連続ポイント、4連続ポイントとブレイクポイントを作りリードを広げた。終盤には、この日、サーブが冴えなかった山内のジャンプフローターでエースを奪うなどしてカナダを翻弄。18点目はバックアタックのタイミングで後ろから飛び込んできた高橋が空中でフェイントをかけて打たずに石川にトス。これを石川がノーマークで決めるトリックプレーまで出た。 なぜ日本は膠着状態から逆転の流れを作ることができたのか。日本代表監督として北京五輪で指揮を執り、現在大商大・公共学部教授の植田辰哉氏は、「日本はゾーンに入っていたと思えるほど最高の出来だった」と、その戦いぶりを分析した。