扶養内で働いていたけど、最低賃金の上昇で「106万円の壁」を超え“社会保険”に加入しました。「将来の年金」と「支払う保険料」はどちらが多いのでしょうか?
2024年10月から、社会保険の適用対象が拡大され、従業員数51人以上の企業で働くパートやアルバイトの人も新たに社会保険の適用対象となりました。近年の最低賃金の大幅な上昇により、年収の壁を超えて社会保険に加入することを悩んでいる人も増えているのではないでしょうか。 本記事ではパートとして働く38歳の女性が社会保険に加入した場合、どれくらい手取りが減少するか? 将来の年金はどの程度増えるのか? について、年収ごとに解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
社会保険の適用拡大とは?
2024年10月から従業員数51人以上の企業などで働くパート・アルバイトの人が次の要件を全て満たすと、社会保険に加入することが義務付けられました。 ・1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満 ・所定内賃金が月額8万8000円以上 ・2ヶ月を超える雇用の見込みがある ・学生でない 社会保険に加入すると、健康保険料や厚生年金保険料が給与から天引きされます。社会保険の適用拡大に該当する場合、年収の壁は130万円ではなく、106万円となります。
社会保険に加入した場合の手取りはいくら?
実際に社会保険に加入した場合、年収106万円(月給8万8000円)、120万円(月給10万円)、150万円(月給12万5000円)、180万円(月給15万円)の人の手取りは図表1(各保険料は従業員折半額)のようになります。
<図表1> 全国健康保険協会 令和6年度保険料額表(令和6年4月納付分から)の東京都の保険料額を参考に筆者作成 ※介護保険料は第2号被保険者 仮に38歳からそれぞれの年収で社会保険に加入し、その後60歳になるまでの22年間、社会保険に加入し続けた場合の社会保険料総額は次のようになります。 ・年収120万円:約385万円 ・年収150万円:約495万円 ・年収180万円:約588万円 このように22年間で支払った保険料はかなり大きな金額になるのに対し、将来の年金はどの程度増えるのでしょうか?