扶養内で働いていたけど、最低賃金の上昇で「106万円の壁」を超え“社会保険”に加入しました。「将来の年金」と「支払う保険料」はどちらが多いのでしょうか?
社会保険に加入して老後の年金はどのくらい増える?
38歳で社会保険に加入し、それぞれの年収で60歳までの22年間厚生年金保険料を支払った場合、65歳から受給できる年金額を厚生労働省の公的年金シミュレーターで試算した結果(国民年金<2024年度の満額は約82万円>にそれぞれの年収での厚生年金を加えた金額)は次の通りです。 ・年収120万円:95万円/年 ・年収150万円:98万円/年 ・年収180万円:102万円/年 したがって、65歳から女性の平均寿命である87歳までの22年間における厚生年金の総受給額は次のようになります。 ・年収120万円:286万円 ・年収150万円:352万円 ・年収180万円:440万円 22年間で支払う社会保険料と増額される老後の年金を比較すると、どの年収でも年金増額分よりも社会保険料のほうが約100万円かそれ以上多い試算結果となりました。
社会保険に加入するその他のメリット
しかし、社会保険に加入するメリットは老後の年金が増えるだけではありません。 自身が病気やけがなどで一定の障害が残った場合は障害厚生年金を、死亡した場合は遺族が遺族厚生年金を受給できるようになりますし、疾病や負傷により働けない場合でも傷病手当金を受給できるようになります。
まとめ
社会保険に加入すると毎月の保険料で手取りが減少し、将来の年金額も保険料以上の給付にはなりません。しかし、最低賃金の上昇により収入は上がりやすく、結果的に、配偶者の扶養に入っていたときよりも将来の年金と毎月の手取りを増やすこともできます。 また社会保険への加入により、遺族厚生年金や障害厚生年金、傷病手当金など死亡・障害・疾病や負傷によって働けなくなるリスクに対する保障は手厚くなりますので、民間の生命保険などの内容を見直して、支出を抑えることを検討してみてはいかがでしょうか? 出典 厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま 全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都) 厚生労働省 公的年金シミュレーター 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部