尾形光琳の代表作《紅白梅図屏風》と《風神雷神図屏風》が39年ぶりに競演! 熱海の〈MOA美術館〉にて。
来る2024年11月、国宝《紅白梅図屏風》と重要文化財《風神雷神図屏風》が一堂に会する展覧会が開催。39年ぶりとなる競演を見に出かけませんか? 【フォトギャラリーを見る】 画面上から下へと末広がりとなった水の流れを中央に、左に白梅、右に紅梅。ご存知、琳派の大成者として知られる絵師、尾形光琳による国宝《紅白梅図屏風》である。 毎年、梅の咲く頃に公開される名作が今年は11月にお目見え。それも、〈東京国立博物館〉が所蔵する重要文化財《風神雷神図屏風》とともに鑑賞できるとあって話題を呼んでいる。 2作品が相まみえるのは、2024年11月1日~26日、〈MOA美術館〉で開催される『国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」』展。1985年、同館で開かれた『光琳―特別展』以来、39年ぶりだという。
《風神雷神図屏風》は、光琳が私淑(ししゅく:尊敬する人物の著書や作品などを通して間接的に学ぶこと)する、琳派の創始者の一人、俵屋宗達の作品を模写したもの。二神の位置や目の表情など、細かい部分で光琳がオリジナリティを出している以外は、忠実なトレースと言える。 また、そのモチーフや構図などにおいて、《紅白梅図屏風》との関連性も指摘されている。雷神を白梅に、風神を紅梅に置き換え、その間に波を大胆に意匠化した水流を配置。2作品を見比べながら、共通点を探すのも楽しいだろう。
同展では、光琳を中心に俵屋宗達、酒井抱一ら〈MOA美術館〉が所蔵する琳派作品のほか、風神雷神をテーマにした近現代の作も展示。2024年11月24日には、秋の演能会も催される。
光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」
〈MOA美術館〉 静岡県熱海市桃山町26-2 TEL 0557 84 2511。2024年11月1日~26日。9時30分~16時30分(最終入館~16時)。木曜休。観覧料1,760円。
text_Ai Sakamoto