【京都の展覧会】江戸琳派の軌跡、芭蕉と蕪村の企画展…江戸時代の文化を堪能!年始に訪れたい展覧会2選
江戸琳派を確立したといわれる絵師・酒井抱一(ほういつ)とその弟子たちや、俳句の世界で独自のスタイルを確立した俳人・松尾芭蕉と与謝蕪村。京都では年末年始にかけて、豊かな江戸時代の文化に触れる2つの展覧会が開催されています。
1.細見美術館 琳派展24「抱一に捧ぐ―花ひらく〈雨華庵〉の絵師たち―」
江戸後期に活躍した絵師・酒井抱一。姫路酒井家の次男として生まれ、江戸の大名屋敷で育ち、20代の頃は江戸の文化人たちと交流を深めながら豊かな青年時代を過ごしました。37歳で出家し、50歳を目前に移り住んだのが、東京・下谷(根岸)の「雨華庵(うげあん)」です。 抱一は四季折々の花が咲くこの終の棲家で数々の作品を生み出し、彼の没後も抱一を慕う絵師たちの拠りどころとなったことで知られ、この雨華庵ゆかりの作品が並ぶ展覧会が細見美術館で開催されています。 第1章では、雨華庵で抱一が過ごした約18年間に描いた作品を紹介。抱一が雨華庵で仏事に励みながら手掛けた仏画《青面金剛図》のほか、抱一が吉原から身請けし、雨華庵でともに暮らした小鸞(しょうらん)女史との共作《紅梅図》などの作品を観覧できます。
また、抱一は雨華庵で多くの弟子たちを指導しました。第2章ではその弟子たちの作品が展示されます。高弟としては鈴木其一(きいつ)や池田孤邨(こそん)が有名ですが、他にも知られていない絵師は多く、本章では山本素堂とその長男・光一に注目しています。抱一を継承した江戸琳派の担い手たちの活躍にご注目ください。 3章では、明治という新たな時代に、江戸琳派の旗手となった雨華庵4世・道一(どういつ)の作品を観ることができます。そして第4章では、大正期から昭和へと時代が移り変わるなかで、江戸琳派の普及に尽力した道一の息子、唯一(ゆいいつ)こと抱祝(ほうしゅく)の作品を、最後の第5章では、絵手本として描かれた画帖や画巻といった小画面の作品が展示されます。 抱一から150年余りに及ぶ江戸琳派の軌跡とその魅力を存分に鑑賞できる展覧会です。 【琳派展24「抱一に捧ぐ―花ひらく〈雨華庵〉の絵師たち―」】 会場/細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3) 会期/~2025年2月2日 開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで) 休館日/毎週月曜(祝日の場合、翌火曜) 入館料/一般 1,800円ほか