【京都の展覧会】江戸琳派の軌跡、芭蕉と蕪村の企画展…江戸時代の文化を堪能!年始に訪れたい展覧会2選
2.嵯峨嵐山文華館「HaikuとHaiga ―芭蕉と蕪村、2人のカリスマ―」
俳聖・松尾芭蕉と、後世に芭蕉を顕彰した与謝蕪村を中心に広がる俳句と俳画の世界。嵯峨嵐山文華館では、芭蕉と蕪村、二人の類稀な才能と、その作品の魅力を実感できる企画展が開催されています。 第1章の「芭蕉の俳句」では、「俳諧の連歌」として始まった俳句を、芸術の域に高めた松尾芭蕉の作品を多数展示。芭蕉が41歳で旅に出た『野ざらし紀行』では、「春なれや名もなき山の薄霞」と名前もなき山に春を感じたことを詠むなど、見たままの情景を句にしたためるようになりました。今回展示される福田本(福田美術館蔵)には、芭蕉直筆の文章に鮮やかな挿絵が描かれています。さらに、『野ざらし紀行』の句に芭蕉自ら絵を描いた《野ざらし紀行図巻》も展示されます。
続く第2章は、与謝蕪村の「俳画(はいが)」作品を中心に展開されます。「俳画」は俳句と絵が一体となった作品で、多くの俳人が手掛けていますが、なかでも蕪村の画の才能は高く評価されています。 蕪村の時代はまだ「俳画」という用語はなく、「俳諧ものの草画」と呼ばれていました。蕪村は絵画と俳諧の両方の分野で活躍し、絵に発句を書き添えた作品を多数描き、「俳画」のジャンルを確立させました。巧みな技術で描かれた蕪村の俳画は、見る人にその時代の情景を思い起こさせます。 第3章では、明治生まれの俳人・種田山頭火(たねださんとうか)と画家・池田遙邨(いけだようそん)にスポットをあてます。同展では「山頭火シリーズ」として、現在28点確認されているうちの4点と下絵が展示されます。 芭蕉と蕪村という二人の天才を中心に広がっていく、日本独自の詩「俳句」と、それにインスピレーションを受けた絵の世界。俳句に詳しくない方も、絵画とともにその魅力を楽しめます。 【HaikuとHaiga ―芭蕉と蕪村、2人のカリスマ―】 会場/嵯峨嵐山文華館(京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11) 会期/~2025年01月19日 開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで) 休館日/展示替期間 入館料/一般・大学生:1,000円ほか