独断と偏見で落語家が勝手に「今年の漢字」を予想!地震、五輪、大谷、選挙、闇バイト…共通する1文字とは
■ 人の振り見て我が振り直せ かつて、私の大学の先輩にこんな人がいました。 「おう、君か、慶應初の落語家は?」と聞いてくるので、「はい、私よりだいぶ先輩になりますが、昔川上音次郎が一時期落語家を名乗っていました」と応えました。 川上音二郎は「おっぺけぺ節」で一世を風靡した明治時代の人で、すでに他界しています。慶應義塾の創始者である福澤諭吉先生の書生として学んでいたそうです。 するとその先輩は、「ああ、川上か。最近テレビに出てこないなあ」……。 そりゃ、出るわけありませんから(笑)。 「振」という漢字から今年1年を振り返り、強引にこじつけているうちに「千早振る」という落語の話になってしまいました。とりとめのない連想をしてきたわけですが、来年以降の教訓として、「知ったか振りをやめる」ことも一考に値するのではないでしょうか。 謙虚に知らないことを認め、必要な情報を確かなソースから集め、しっかりと何が正しいかを判断する習慣をつければ、日々ネットやSNSにあふれるフェイクや誤情報などにも惑わされることも少なくなるのではと、思うわけであります。 「人の振り見て我が振り直せ」 自戒を込めて、肝に銘じたいと思います。
立川 談慶