もがくJ名門、かつての力強さ消え「もっと良さを」 古巣復帰で「隙のない、優勝できるチームに」【インタビュー】
今の鹿島で成し遂げたいことは「リーグ優勝しかない」
新たに就任したクラブOBでもある中後雅喜監督の下、クラブは三竿の知る鹿島への回帰に舵を切ったといえる。ヨーロッパ時代には、自身のステップアップ移籍のため、チームの結果を気にせず個人のパフォーマンスを出すことに専念していたという三竿も、今は再びチームを勝たせることに注力できる環境に戻り始めているという。 「羽田(憲司)コーチも帰ってきてくれて、すごく良い声掛けだったり、雰囲気作りだったりをしてくれているので、また自分が知っている雰囲気に戻るなっていうふうに思います」 鹿島は2018年にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制したのを最後に、タイトルを獲得できていない。クラブにはタイトル未経験選手たちも増えてきている。子どもの頃、強い鹿島の試合に通ったことで、鹿島ファンとなった三竿にとっても、由々しき事態だ。 三竿が今の鹿島で成し遂げたいことは何なのか。 「リーグ優勝するっていうところしかないです。やっぱり年間通して、勝ち続けなきゃいけないし、今年もあと一歩で勝てたっていう試合がたくさんあったと思う。そういうところを勝ちに持っていければ、優勝はできるチームだと思うので、その隙を与えてしまったのが勝ちを引き分けに変えてしまったゲームが多い理由だと思う。 隙を見せないところを練習から突き詰めて、やり続ければ達成できる、遠くない目標だなっていうふうには思います。今いるメンバーは、ヨーロッパで経験した選手もたくさんいるので。僕だったり、(鈴木)優磨だったり、(柴崎)岳くん、植田(直通)くんだったり、(安西)幸輝も(田川)亨介もいますし。そういう選手がたくさんいるので、チームを高めていく必要があるかなと思います」 [プロフィール] 三竿健斗(みさお・けんと)/1996年4月16日生まれ、東京都出身。東京ヴェルディ―鹿島アントラーズ―サンタ・クララ(ポルトガル)―OHルーベン(ベルギー)。中盤から最終ラインのポジションをそつなくこなすユーティリティ性が持ち味。キャプテンシーも備え、鹿島ではクラブ史上最年少キャプテンにも抜擢された。
河合 拓 / Taku Kawai