憧れの「パリコレ」へ 理容師歴70年の母(90)を見習い挑戦 キャリア40年のヘアスタイリスト「長野でも夢をつかめる」
■“学び直し”美容師に
一念発起し美容師になるため再び専門学校へ。両親も後押ししてくれました。 三水芳信さん: 「僕は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。跡を継がなきゃいけないし、そうじゃないと床屋さんが絶えてしまう。そしたら、おやじもおふくろも『自分が思うようにやってみろ』と」
美容師として腕を磨き1997年、長野駅前に自分の店を持ちます。 三水芳信さん: 「やれるだけのことをやりたいとがむしゃらにやった時期。お客さまが来てサッとスタイルができちゃう。評判を得て、予約がとれないくらいの状態に」 駅前の店はすぐに手狭となり2002年、現在の場所に店を構えました。
■世界4大コレクションに憧れて
店の経営を安定させる中、三水さんは夢への挑戦を始めます。 アプリーレ・三水芳信さん: 「世界4大コレクションに憧れて、美容師になって、(知人が)コレクションの裏方の仕事っていうセミナーのパンフレットを持ってきてくれて、それ見たときに『俺が目指してるのがこれだ。え、そんなの見れるの』って思って」 憧れのパリコレを目指し2018年、経験者のセミナーを受講。海外のコレクションでヘアメイクを手掛ける会社の「プロジェクト」の選考試験を受け、みごと合格します。 2019年2月、パリやミラノと並ぶニューヨークのコレクションでヘアメイクを担当する日本チームの一員に。 三水芳信さん: 「不安と期待とすごいいろんな思いが最初の時、ありました」
初めてスタインリングをした思い出の写真。 アプリーレ・三水芳信さん: 「このスタイルを作ってランウェイを歩いたのを見た時に鳥肌が立ちました。世界の人たちが自分の作ったスタイルを見てくれてることと、何とも言えない感謝の気持ちと、これからもっといいものを作っていきたいなという気持ちになった」
■長野でも夢をつかめる
ニューヨークコレクションにはその後、2回参加しましたが、2020年以降はコロナ禍で海外のコレクションへの参加自体が見送られます。 その間、三水さんはー アプリーレ・三水芳信さん: 「自分の中で間があいたからこそ、練習と気持ちと、メンタル的な面を強くできてるからこそ行きたいという気持ちになった」 このほど、ようやくパリの2025年春夏コレクションで募集がかかり、これまでの実績から三水さんの参加が決定したのです。 三水芳信さん: 「もうやるしかないです。自分自身への挑戦でもあるけど、長野でもこうやって頑張ってやってるのを若い美容師さんたちに見てもらいたいし、自分の夢をつかむきっかけになったらいいなと」