束芋が海外のアニメーション作家3人と共同制作。倉庫空間を移動して体験する「触れてなどいない」を7月5日から寺田倉庫で開催
「TENNOZ ART WEEK 2024」のメインプログラムとして、寺田倉庫G3-6Fにて開催
現代アーティスト束芋と、海外のインディペンデントアニメーション作家3人による新作映像インスタレーション展示「触れてなどいない」が、7月5日~15日まで寺田倉庫G3-6Fにて開催される。本作は「TENNOZ ART WEEK 2024」のメインプログラムであり、国際的アートフェア「Tokyo Gendai」のVIPプログラムでもある。 「TENNOZ ART WEEK 2024」は日本と海外のアートシーンをつなぎ、国際文化観光の促進を目指すアートイベントとして開催される。初開催の昨年は、国内外のアートコレクターを中心に約1.4万人が訪れた。2回目となる本年は、束芋と3人のアニメーション作家による新作映像インスタレーション、ギャラリーコンプレックスでの日本酒の提供、美術工芸展、伝統画材のワークショップなど、多様な日本文化の現在地を世界へ発信する。 メインプログラム「触れてなどいない」は、手描きドローイングと日本の伝統的な木版画を思わせる色彩を用いたアニメーション・インスタレーションで知られる束芋による新作。束芋は、実空間とアニメーションが地続きになった非日常的な空間を作りだし、見過ごしてしまいがちな気配や手触り、記憶といった日常の深層へと見るものを誘い込んでいく表現を重ねてきた。 2023年に「新千歳空港国際アニメーション映画祭」に審査員として参加し、アニメーションの奥深さを再認識した束芋は、そこで出会った3人のインディペンデントアニメーション作家であるジョシュ・シャフナー(アメリカ)、レア・ヴィダコヴィッチ(セルビア)、ステファン・ヴィユマン(フランス)とともに本作を制作。展示会場となる倉庫の一室で、鑑賞者が空間を移動しながら、アニメーションを通して開かれていくifの世界を体験する回遊型インスタレーションを作り出した。 会場の寺田倉庫はアート保管を事業としており、水や生物などといった存在は固く禁じられている。束芋が掲げたテーマは、そこに持ち込んではいけない存在を持ち込むこと。アニメーションを通して、幻想とナラティブが生まれていく。普段はスクリーンの上に展開される魅力的な3人の映像が、束芋とのコラボレーションによって空間に解き放たれ、アートの文脈と結びつくことでアニメーションの魅力を多層的に表現した新たな体験型インスタレーションに結実した。11日間限定の回遊型インスタレーションに足を運びたい。
Art Beat News