早くも別格! J1リーグ、今夏の大当たり新戦力(4)最強の男が帰ってきた! 名将の元で輝く日本屈指のMF
夏の移籍ウインドーでJリーグの各クラブは不足している戦力の補強を実施した。負傷離脱者の穴埋め、下位から抜け出すための即戦力、優勝を狙ううえでのラストピース――。各クラブの判断の是非は、シーズン終了時の立ち位置によって明らかになるだろう。今回は、J1リーグにおける今夏の大当たり新戦力をピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
MF:川辺駿(かわべ・はやお) 生年月日:1995年9月8日 移籍先:スタンダール・リエージュ(ベルギー)→サンフレッチェ広島 2024リーグ戦成績(移籍後):5試合0得点1アシスト サンフレッチェ広島にとって、今年8月におよそ3年ぶりの復帰を果たした川辺駿は、9シーズンぶりのJ1制覇に向けたブースターとなり得るだろう。 今年2月にこけら落としを迎えた新スタジアム『エディオンピースウイング広島』に新たな歴史を刻み込むためにも、広島が2024シーズンのJ1リーグを制する意義は大きい。シーズン途中でエースの大橋祐紀が退団したのは痛手だったが、夏の移籍ウインドーでは的確な戦力補強を実施。現在は首位のFC町田ゼルビアと勝ち点「2」差の2位につけており、J1制覇を狙える位置をキープしている。 広島加入直後から、今夏の大当たり新戦力として存在感を発揮しているのが川辺だ。29歳のMF は広島に2021年まで在籍していただけに適応の問題もなく、すんなりとチームに溶け込んだ。強烈なキャプテンシーでチームをけん引するタイプではないが、欧州で得た経験を生かして「プレーで語る」ことができる男の加入によって、広島の中盤は一気に戦力を増した。 川辺は、広島が抱えていた問題を解決する“処方箋”にもなっている。ドイツ人指揮官ミヒャエル・スキッベ監督の下、チームはゲーゲンプレスで相手を圧倒することで勝ち点を積み上げてきた。しかし一方で、試合のリズムが速さ一辺倒になるケースも目立ち、ペースコントロールができる選手の重要性が浮き彫りになっていた。賢いプレー選択ができる川辺の到来によって、ここ最近のチームはトランジションに頼らずとも試合を管理できるようになっている。 広島を“大人”なチームにブラッシュアップした川辺の功績は、加入からそれほど日が経っていない今でも明らかなほど際立っている。
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