韓国は「ロシア由来」の兵器をウクライナに送れるのか、世界レベルの防衛産業にロシアが深く関わっている!
この借款を引き継いだロシアが、経済悪化により償還が厳しくなると、その代替的手段の1つとしてロシアの防衛装備や技術導入によって償還するようになります。 1995年以降、債務償還の代わりとしてロシアからT80U戦車やBMP-3歩兵戦闘車などの装備品が韓国に渡り現在も韓国にあります。この協力事業は「プルゴム(ヒグマ)事業」と名づけられています。 その後、韓国とロシアの間では、1996年に「国防協力協定」、1997年に「軍事技術分野・防衛産業・軍需協力に関する協定」、2001年に「軍事秘密情報の相互保護に関する協定」、2005年には「地対空誘導武器体系協力事業の相互協力に関する協定」などが締結されました。
ウクライナ戦争開戦前の2021年には、韓国とロシアは「国防協力に関する協定」を条約として再び締結していて、この分野における両国関係はつい最近まで実態があったことがわかります。 裏を返せば、韓国政府にとってはロシアによるウクライナ侵攻がいかに「寝耳に水」だったかが想像できるでしょう。 ――そういったロシアとの協力関係で成果を得られた韓国軍の装備・兵器にはどういったものがありますか。 代表的な装備品の中では前出の「天弓」地対空ミサイルが挙げられます。また、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)とそれを発射するための「垂直発射装置」(VLS)、これら装置を備えた潜水艦です。
■コールドローンチ技術はロシアから 天弓はミサイル本体を噴射ガスで射出した後、そこから本体部分が発射される、いわゆる「コールドローンチ」といわれる技術が使われています。おそらくこうした技術は2005年に締結された「地対空誘導武器体系協力事業の相互協力に関する協定」に基づいて技術がもたらされたかもしれません。 2018年9月に就役した韓国海軍潜水艦で独立運動家の名前を取った「島山安昌浩」(トサンアンチャンホ)が、2021年9月に同艦からのSLBM発射に成功したと発表しました。