ロッチ・コカドが<40歳からの趣味探し>でミシンにたどり着いたワケ。「お笑いを一度離れて古着屋で働いたくらいの服好き。でも楽しくて仕方なかったからこそ、むしろ…」
お笑いコンビ「ロッチ」のツッコミ担当、コカドケンタロウさん。40歳を過ぎた頃から趣味探しを続けてきたコカドさんが辿り着いたのが”ミシン”。愛用のミシンから生み出されるのはバッグからパンツ、シャツまで多種多様。制作の様子を発信するInstagramはフォロワーが急増、今や「お笑い界の裁縫王子」と呼ばれるコカドさんがこの度『コカドとミシン』を出版することに。生涯の趣味に巡り合い、芸人としても独自のポジションを築いてきたコカドさんが語る<豊かな人生>の見つけ方とは?(構成◎岡宗真由子 撮影◎本社 奥西義和) 【写真】コカドパンツを着用するコカドさん。これがハンドメイドとは! * * * * * * * ◆趣味探しの道のり 40歳の頃から人生をもっと豊かにしたいという理由で“趣味探し”を始めました。 1年間は続けること、楽しくなかったら潔くやめることなど、自分なりのルールを決めて、毎年のお正月に宣言します。ゴルフ、料理、ギター、べランピング…などを経て、43歳の時に辿り着いたのが「ミシン」でした。 他の趣味も悪くはなかったのですが、それぞれ、ちょっとした短所やら物足りなさがありました。 ところが、「ミシン」は違った。中古で買ったミシンに糸をセットして、ハギレを置いて、ガガガっとペダルを踏み込んだところで、もう、「これだ!」という感覚がありました。
◆だから、もう一度お笑いをやろうと もともと僕は服が好きで、古着屋さんになりたいと思っていた時期がありました。 その一方で、高校一年でNSC(吉本興行のお笑い芸人養成所)に入り、お笑い芸人としてのキャリアをかなり早めにスタートしています。 お笑いの世界に不満はなかったのですが、まだ若かったので古着屋さんも諦めきれず、ネタ作りは一旦脇に置いて、古着屋さんに勤めることに。 当時は、毎日古着とふれあうのが楽しくて、「ああ早く明日もお店に行きたい」と思っていました。するとなぜか逆に、「いつでも古着屋さんには戻って来られる。だから、もう一度お笑いをやろう」という意欲が湧いてきたんです。 それから古着屋さんの仕事に戻ることはなかったのですが、趣味探しの合間にふと、あの古着を扱っていた楽しい日々を思い出していました。古着と触れ合って楽しかった感覚が呼び醒まされるような趣味はないかな? あのワクワク感はどこから来たんだろう? と考えたんです。 服にまつわるワクワク。そこでのいくつかのピースが繋がって、「ミシンをやってみよう」となりました。