「デジタル広告そのままでいいの?」 ハイブリッドCookie時代の現実的なアプローチ
[3. 実行する ] 世の中にあるソリューションをいくつかの角度で理解し、導入を検討する
3つ目の「実行する」ステップでは、次のことを確認します。 ・自社に合うソリューションを探し、テストする
「ファーストパーティデータを収集しているか?使える状態か?」で分類すると取り組みやすいかもしれません。その上で、(1)すぐ活用可能か、(2)個人情報が必要か、(3)技術的難易度は、(4)導入コストと想定リターンは、の4つのポイントから検討しましょう。
新しい施策を試す上では、POC(Proof of Concept=概念実証と訳され、アイデアや技術、製品などが実際に有効かどうかを確認するために行う試験的な取り組み)を実施することを推奨します。大規模な開発や投資を行う前に、リスクを最小限に抑えた検証ができるのが良い点です。POCを実施する上で重要なことは、限られたリソースと時間の中で効果的に成果を出し、プロジェクトの方向性を明確にすることです。具体的には以下の通りです。 1. 明確な目的とゴール設定 1.1.POCの目的を明確にすることが最も重要です。何を検証したいのか、成功基準は何かを具体的に設定します。これが曖昧だと、評価が難しくなり、意思決定に役立てられません。 2. 最小限の範囲で実施する 2.1全ての機能や要素を一度に試すのではなく、最も重要な部分に焦点を絞り、最小限のリソースで実施します。これにより、効果的に進捗を確認し、リスクを最小限に抑えることができます。 3. 成功基準の定義 3.1.POCの成功をどのように測るか、明確なKPIを定めます。技術的な検証だけでなく、ビジネス的なインパクトも含めて判断基準を設けることが重要です。 4. 関係者の合意とコミュニケーション 4.1.プロジェクトに関わる社内外のステークホルダー全員の合意を得ることが重要です。POCの範囲や目的、期待される成果について全員が同じ理解を持つことで、後々のトラブルや誤解を防ぎます。 前述のChromeに対するユーザー許諾の何らかの機能追加が具体的にいつ実装されるかは発表されていません。プライバシー保護の観点から考えると、早ければ今年の年末になる可能性もありますし、規制当局との調整に時間がかかることも考えられるので来年かもしれません。いずれにしてもハイブリッドCookie環境になるまでの時間はあまり残っていないと考え、とりうる策はとっておくことが肝要と思われます。