「全女は“プロレス”ではない」極悪女王で描かれた隠語“ブック”とは? ジャガー横田&ブル中野が明かす全女のウラ側「本当だと思われたら私は残念」
あらかじめ試合の筋書きや結末が決められているもの──。ドラマを含め、プロレスはこう捉えられがちだが、『極悪女王』の時代の全女に限れば、違う。団体内での己の地位とプライドを懸けて懸命にマットの上で相手を押さえ込む。「ピストル」と呼ばれた真剣勝負がもたらした熱狂の正体とは。 発売中のNumber1109号に掲載の[世界に一つだけのシステム]ロッシー小川/ジャガー横田/ブル中野「ピストルという情熱」より内容を一部抜粋してお届けします。 【貴重写真】芸能人水泳大会ではしゃぐ長与千種、「いいとも!」でタモリと並ぶクラッシュ・ギャルズ、見たことある?全女伝説レスラーの現役時代を、貴重写真で振り返る。
「ブック」とは何を意味する?
今秋、Netflixで世界配信されたドラマ『極悪女王』。ダンプ松本を中心とした1980年代女子プロレスラーたちの実話を元にしたこの青春群像劇は、俳優たちの体を張った熱演もあり大好評を博したが、ドラマの中で「ブック」という言葉が頻繁に使われたことで、SNSでは違和感を表明するポストも散見された。 ドラマの中で「ブック」が何を意味するのかは説明されていなかったが、話の流れから台本や筋書き、あらかじめ決められた試合の結末という意味で使われていたことがわかる。 この「ブック」に対する否定的な意見は、隠語を用いてプロレスの裏側を暴露したことに対するものと誤解されるかもしれないが、そうではない。プロレス界にはそもそも「ブック」という言葉は存在しないのだ。ジャガー横田は10月2日に配信された集英社オンラインのインタビューで真っ先にこう否定している。 「私はこの世界に48年間いますけど使ったことがないです。この世界で一番古い私が使ったことないんだから、現実の世界にはない言葉です」 「ブック」は全女で実際に使われていた隠語や業界用語ではなく、2000年前後からインターネット上で使われ始めたネットスラングとの説が有力だ。 ジャガーは「フィクションとしての物語だからいろんな作りをしてもいいと思うんですけど、見ている方たちがあの物語を全部、本当だと思われたら私は残念に思うところはあります」とも語っている。 もちろんプロレスは、競技スポーツとは一線を画すスポーツエンターテインメントだ。かつて前田日明やWCWのオーナーだったテッド・ターナーが「プロレスはスタントマンのメロドラマ」と評したように、プロレスラーたちは命懸けで闘いながらドラマを演じている。 しかし全女の“実態”を知れば、ジャガーがそう語る気持ちも理解できる。かつて全女は、「ピストル」と呼ばれる押さえ込みでスリーカウントを奪い合う真剣勝負が日常的に行われていた世界で唯一のプロレス団体だったからだ。
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