半導体からソフトへ、人気テク銘柄に潮目の変化-関税リスクで明暗
ジェフリーズの株式取引マネジングディレクター、マイケル・トゥーミー氏は、半導体に対するソフトウエアのアウトパフォーマンスは「過去最高の動き」だと指摘。それでも双方のパフォーマンスを比べた「10年間のチャートで見るとそこまで目立たない」とし、この傾向が継続する余地があるとの見方を示した。
半導体からソフトウエアへのローテーションがどの程度まで進むかは、トランプ次期政権下での動向に左右されるだろう。ぺーサーETFディストリビューターズのショーン・オハラ社長は「関税の面で半導体メーカーには多くの不確実性がある」とし、半導体株はすでにAI期待から大きく値上がりしており、ボラティリティーが高まる可能性があると予想。「一方で、AIソフトウエアへの注目が高まるだろう」と述べた。
これまでのところ、AIのテーマはソフトウエア株よりも半導体株に多くの利益をもたらしてきた。企業がAI技術の実行に必要な半導体やサーバーに資金を投じていることが背景にある。ソフトウエア株でAIブームの追い風を受けているのは、パランティアやマイクロソフト、オラクルなど一部の銘柄のみだ。だが、AIの成長ストーリーで、ソフトウエアとサービスは次の転換点となり得る。
さらに言えば、AIトレードの恩恵をいち早く受けたことで半導体銘柄は割高感が出ている。フィラデルフィア半導体指数の予想株価収益率(PER)は現在24倍。10年間の平均である18倍を上回っており、中でもソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングスやエヌビディアの割高感が目立つ。逆風が吹けば、一段と大きな下落リスクがあるかもしれない。
とはいえ、成長の観点から半導体は依然として根強い人気を誇る。BIの分析によると、半導体企業の2025年利益は40%増と見込まれる一方、ソフトウエアおよびサービスでは約12%増にとどまる見通しだ。売上高の伸びも、半導体の方がはるかに高いと予想されている。