三菱UFJ銀行頭取が会見 貸金庫から“十数億円”窃取し解雇の行員は隠ぺい工作も
問題の発覚から1カ月以上経って、ようやく銀行側が会見を開きました。40代の女性行員が顧客の貸金庫から十数億円の金品を盗んだとされる問題は貸金庫のビジネスモデルを揺るがす事態になっています。 【画像】貸金庫のスペアキーを使い窃盗、チェック体制の穴に半沢頭取らが謝罪 盗んだ多額の金品の使い道は
■不正防ぐためのスペアキーを使用
今年10月に発覚するまで4年半もの間、顧客の貸金庫から金品を盗んでいたとされる40代の元女性行員。およそ60人分、十数億円相当が被害に遭ったとみられます。 三菱UFJ銀行 半沢淳一頭取(59) 「半沢でございます。信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものであると厳粛に受け止めており、心よりおわびを申し上げます」 「(Q.なぜ会見を開くまでに時間が?)被害に遭われたと思われるお客様への対応、そして不安に思われているお客様の不安解消に取り組む、この2つをまず最優先で取り組んで参りました」 会見で明らかになったのは、「チェック体制の穴」でした。 貸金庫を開けるには「銀行側」と「利用者側」の2つの鍵が必要です。利用者の鍵は銀行に「スペアキー」があり、元女性行員はこれを使って1人で貸金庫を開けていたとみられています。 銀行側もこうした不正を防ぐため、「スペアキー」は「銀行側」と「利用者側」が“割印”を押して封印。定期的に確認していたといいますが、向井理人執行役員は次のように話しました。 三菱UFJ銀行 向井執行役員 「(Q.封筒の開け閉めの形跡を確認?)『封筒が破れていないか確認する』と書かれているが、どのようにそれを確認するか、という辺りが詳しくなかった」 「(Q.割り印の照合はしていない?)印鑑がつかれて、封緘(ふうかん)されていることは確認しています」 「(Q.届出印かどうかの確認は?)それはしていません」
■驚きの隠蔽工作が明らかに
さらに会見では、元女性行員が驚きの行動を取っていたことが分かりました。 向井執行役員 「(利用者から)『貸金庫の中を確認してほしい』とか、数件そういった申し出があったのですが、対応していたのが行為者本人(元女性行員)で、その時に『お忘れ物がございました』というような回答をして、その場は無事に終わらせたというか、発覚を遅らせる手立てを取ったということがあった」 元女性行員は不審に思った利用者に「忘れ物があった」と思わせ、物品を手渡すことで注意の目をそらしていたとみられます。 元女性行員は、盗んだ多額の金品を何に使ったのでしょうか。 半沢頭取 「本人に調査したところによりますと、今回の(盗んだ)資金については、『投資等に流用している』という供述を得ています」