公立大学へは、「県外」から自宅通学するよりも「県内」へ下宿したほうが安く済む?
公立大学の特徴の一つとして、地域内外の学生の学費負担に差をつけている大学が多い点が挙げられます。地域外の自宅から通うよりも、一人暮らしをして地域内から通ったほうが、トータルの費用をおさえられるのでは?と、考える家庭もあるでしょう。 そこで本記事では、公立大学の学費の仕組みを紹介するとともに、公立大学生の一人暮らしの平均額を紹介します。参考にして、実際にかかる費用をシミュレーションしてみましょう。
公立大学とは
公立大学と国立大学の最も大きな違いは、学校の設置・管理をする母体にあります。国立大学は、国からの交付金などを財源として、国の管轄下で国立大学法人が運営する高等教育機関です。一方の公立大学は、都道府県や市町村が設置・管理を行う高等教育機関で、地域社会での知的・文化的な拠点としての役割も担っています。 公立大学は年々その数を増やしており、令和5年度時点では、国立大学の86校を上回る100校が設置されています。
公立大学の学費の仕組みと金額
公立大学と国立大学には、学生が大学に納める学費の仕組みにも違いがあります。ここでは、公立大学の学費がどのように決められているのかについてと、実際にかかる費用の目安を見てみましょう。 ポイントは、次の2点です。 ●基本は国立大学と同水準である ●地域内・外の通学者で学費に差をつけている大学が多い 以下でそれぞれ詳しく解説します。 ■基本は国立大学と同水準 公立大学の入学検定料や入学料、授業料は、国立大学の水準とほとんど同じ水準である場合が一般的です。国公立大学の入学検定料、入学料、授業料は、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令に定められた、次の標準額に準じて決められています(いずれも昼間部の場合)。 ●検定料:1万7000円 ●入学料:28万2000円 ●授業料(年額):53万5800円 公立大学の多くは、国立大学の学費の標準額と同じか、大きく超えない範囲で学費を設定しています。ただし、学校や学部によっては、国公立大学よりも高めの金額設定になっていることがあるため、志望校を決める前に確認しましょう。 ■地域内・外の通学者で差をつけている大学が多い 公立大学の学費の特徴的な点として、地域内の学生と地域外の学生で、入学料に差をつけている学校が多いことが挙げられます。 よく見られるのは、地域内の学生の入学料を、国立大学の入学料水準の半分程度に設定しているパターンや、地域外の学生の入学料を、国立大学の入学料水準の2倍程度としているパターンです。また、独自の金額を設定している学校も多くあります。 表1に、地域内外で公立大学の入学料に、どのような差が設けられているのかを示す例をまとめました。 【表1】