サッカーJ3鳥取、来季昇格へ守備レベルアップを…リーグワースト2位の65失点
サッカー・J3のガイナーレ鳥取は今季、通算成績14勝8分け16敗(勝ち点50)で13位となり、来季もJ3で戦うことが決まった。苦しんだ序盤から、夏場以降は快進撃を続けたが、最後は上位チームに勝てず、J2昇格プレーオフ進出を逃した。林健太郎監督らは4日に鳥取県米子市で総括記者会見に臨み、来季の躍進を誓った。(藤川泰輝)
■高柳選手プレー光る
ガイナーレは今季、J1ヴィッセル神戸でヘッドコーチを務めた林監督を新たに迎えたが、開幕から勝てない試合が続き、第12節からは11試合、白星がなかった。7月には主将の世瀬啓人選手がJ2のチームに移籍。厳しい状況に立たされた。 しかし、7月の第23節で12試合ぶりの勝ち星をつかむと以降、3連勝を3度記録。10月の第34節後は今季から導入された昇格プレーオフ出場圏内の6位まで勝ち点差2と迫った。
原動力の一つとされるのはMF高柳郁弥選手。7月にJ3・大宮アルディージャから期限付きで移籍し、技術の高さと献身的なプレーでチームに活力をもたらした。 最後は首位の大宮、2位のFC今治に力負けして昇格を逃したが、そこまで粘り強い戦いを見せた。大きかったのが、昇格プレーオフだ。林監督は「厳しい状況の中でもプレーオフがあったので目標を修正でき、目指すべき位置が見えてきたのでやりやすかった。モチベーションが切れずに、新しい目標に向かって全員で一体感を持ってやれた」と振り返った。
■監督のまとめる力評価
チームは、シーズン中に林監督の続投を決めた。塚野真樹社長は「スタッフや選手をまとめる力があると思って来てもらい、しっかりやっていただいた。目指したところには届かなかったが、間違いなく積み上げられた。それを継続してもらいたい」と評価した。 杉本亘輝・トップチームオペレーションマネジャーは、来季への課題として、リーグワースト2位の65失点を喫した守備面を挙げる。「守備の強化は必要。選手、チームのレベルを上げていく」と説明。林監督も「守備は全ての面でレベルアップが必要。質や強度、判断力を高めて開幕を迎えたい」と現状を見据える。 そのうえで、「来季は今季のスタート地点よりベースがあると思う。まずはこのオフに今季の戦い方や成績、内容を整理して準備する」と意欲を示した。
平均観客7%増 2434人
ホームゲームの平均観客動員数は2434人(前年比107%)だった。塚野社長は「前年比7%増は、クラブからすると手応えのある数字」と評価する。 ポイントとなる試合として挙げたのは、4月に鳥取市のAxisバードスタジアムであり、7677人が詰めかけたルヴァン杯初戦の浦和レッズ戦。シーズンの平均観客動員数には含まれていないが、「初めて来場した人も多かった可能性があり、それ以降の来場者数増につながったのではないか」と分析した。