春先によくある不調、かゆみ、ほてり、頭痛に効く食材は?おすすめの調理法も【おいしい漢方】
連載 おいしい漢方【2月】
国際中医薬膳管理師であり漢方アドバイザーの久保奈穂実さんが、2月を健やかに過ごす養生の知恵と、疲れを癒すおいしい漢方レシピをお届けします。「養生」とは、病気になる前の「未病」の段階で体を整え、病気を未然に防ぐという中医学の考え。今日から無理なく、簡単養生&漢方生活を始めませんか? 読むだけで薬膳漢方の知識が身につく『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』(世界文化社)から一部を抜粋してお届けします。
2月の過ごし方、養生の知恵/文・久保奈穂実(くぼ・なおみ)
二十四節気の「立春(りっしゅん)」の頃です。旧暦では、一年の始まりは立春からと考えられていました。 この日からは、ゆるゆる・のびのびが養生のキーワード。洋服や靴はワンサイズ大きなものを選び、締め付けずゆったりと。髪もくしでとかしてふんわりと。朝は大股で深呼吸しながらゆっくりとお散歩。人間関係も伸びやかに。ちょっとしたご縁も、よく知らないうちに芽を摘まず、伸びやかに育てましょう。 この季節は、ストレスなどのせいで伸びやかに過ごせていないと、体のあちこちに不調が出やすくなってしまいます。日々の養生で、春を快適に過ごせるといいですね。
かゆみには「苦味」が効果的。辛いものはNG
春は、陽の気が上がって顔や背中などの上半身に炎症やかゆみが出やすい季節。花粉のかゆみもつらいですよね。 そんなときは、辛いものを控えましょう。辛いものは体に熱を生み出すので、火に油を注ぐようなもの。できるだけ控えるほうが安心。 かゆみには「苦味」です。濃く煎れた緑茶や、グレープフルーツは手軽にとれる苦味の代表。苦味が熱を冷まし、炎症やかゆみを鎮静してくれます。
春ののぼせや頭痛は山菜で解消
春によくある上半身トラブルには、ほてり、のぼせ、めまい、頭痛、イライラ、顔や背中の肌荒れ・吹き出物があります。 これらには体の余分な熱を冷ます「清熱(せいねつ)作用」がある苦味食材がおすめです。春に山菜など苦味食材を食べることは、理にかなったことなのです。 山菜は、お酒や揚げ物、甘いものが好きな人のデトックスにもおすすめです。