重い病気の子どもを運ぶドクタージェット ドクターヘリとの違いは?…1例目は石川県から愛知県へ搬送
最大航続距離2000キロ
空路で患者を運ぶ方法にはほかにドクターヘリもありますが、最大の違いは活動範囲です。ドクターヘリは各都道府県が運用し、基本的な航行エリアは所属自治体内の半径100キロ圏内。一方、ドクタージェットの航続距離は最大2000キロほどで、日本列島をほぼカバーできます。 「ヘリは振動や騒音が大きくて、搬送中の医療処置が困難」と指摘するのは、ドクターヘリの搭乗経験が豊富な救急医でJCCN理事の岡田真人さんです。ヘリ内で患者の容体が急変して搬送先まで遠い場合は、処置のために着陸場所を探すこともあるそうです。 JCCNはこの事業を現在、寄付金で進めていますが、1回あたり400万円ほどの搬送費用が課題です。集めた治療データを国に提出し、国の政策に盛り込まれることを目指しています。 JCCN理事長の福嶌さんは「小児の高度医療機関は大都市部に集中しており、全国各地に広げるのは現実的ではありません。いざという時は飛行機で運べる仕組みを作ることが安心・安全の子育てにつながります」と話しています。