ボルボ「EX30」で、京都から東京まで500kmのロングドライブをしてみた!
物理的スイッチをなくしても大丈夫なのか?
クルマは(これまでは)多くの部品で成り立っており、開発者が「物理スイッチを減らしたい」と考えても、それまでのやり方を大きく変えられないので行なわれてきませんでした。 また、社内事情やそれらを造らせて購入しているサプライヤーの都合などがあるので簡単にはいかないはず、とこれまでは考えられていました。しかし、このEX30を見れば、もうそれは言い訳にしか過ぎなくなります。 また、パネルでの操作に好意的ではない人たちもいます。いわく、“物理スイッチならば見なくても手探りで操作できるから安全”とか、“パネルはトラブルを起こすと他の機能も全滅する”といった類です。新しいことやモノに懐疑的な人たちですね。 タッチパネルもすべてをタッチで操作するのでなく、多くを音声で操作できることを考えていません。さまざまな機能はアプリ化されたり、CarPlayなどのスマホアプリで操作することができるので、クルマに乗っていない時とシームレスで操作できるのです。たいがいの“懐疑派”は、そうしたパネルの長所を十分に享受する前に短絡しているだけに過ぎないようにしか見えません。
京都の街が持つ「規則性」と「関係性」
ステアリングホイール根本から右に生えた細いシフトレバーを“P”から“D”に押し下げて走り出します。当たり前ですが、EVなので静かに滑らかに走り出します。表通りに出て加速していっても、それは変わりません。 ミニマルでシンプルなことの他に、EX30のインテリアではリサイクル素材や再生可能素材などが積極的に用いられていることも大きな特徴となっています。 京都の碁盤の目になっている道路はちょっと久しぶりだったので、当てずっぽうに走ってみました。お寺や神社、老舗の店などが並んでいて眼を楽しませてくれます。でも、迂闊には停車できない感じです。 建物と、その前に停まっているクルマを見ていると、なんとなくですが用がない人でないと停められない感じなのです。ということは、本当に停める必要がある人しか停めていないのでしょう。 街の区画や並んでいる店の種類、交差する道路との関係などから、“然るべきクルマが然るべく停まっている”ようにしか見えません。規則性と関係性があるのです。長い歴史による規則性と関係性です。東京はグチャグチャで規則性にも関係性にも乏しく、駐停車も漫然としています。 そんなことを思いながら、京都御苑の駐車場に停めることができました。公共の駐車場で、まだ空いていました。 ここでカーナビの設定や、パネル内の機能の再確認を行ないました。京都御苑をゆっくりと見学させてもらいたいところですが、東京に向けて出発です。