越境ECに着手している事業者は約7割、課題は「言語」「物流」。初期の年間予算は「100万~500万円」がボリュームゾーン
EC物流代行サービス「ウルロジ」などのディーエムソリューションズは12月10日、EC事業を運営している20歳~70歳代の担当者や責任者1000人を対象に実施した「越境EC事業化にあたっての意識・実態調査」の結果を発表した。
「現在の越境ECの状況」について、「すでに複数の国で実施」が25.1%、「すでに一国で実施」が23.6%、「直近での実施に向けて進行中」が17.4%と回答。約7割のEC事業者が越境ECに着手していることがわかった。
「越境ECを事業化する上での課題となりそうな点」を複数回答で聞いたところ、「進出先国の言語対応」が42.4%、「海外発送用の物流体制の構築」が38.0%、「進出先国の法令対応」が37.5%。
越境ECを経験している487人に絞って分析したところ、「進出先国の言語対応」が50.3%、「海外発送用の物流体制の構築」が46.8%、「進出先国の法令対応」が39.6%だった。
「越境ECの物流における課題」を複数回答で聞いた。「通関手続きなどの書類発行業務」が47.3%、「海外配送コストの削減」が43.2%。これに続いたのが「海外配送に対応した梱包作業」の34.6%で、配送コストよりもむしろ煩雑な業務や手続きに課題を感じていることが推察される。
「越境EC事業を事業化する前提で、初期のおおよその年間予算」について聞いたところ、「101万~200万円」が16.5%、「201万~300万円」が17.2%、「301万~500万円」が14.9%。初期の年間予算は、100~500万円がボリュームゾーンとなっている。一方、年間2000万円以上の予算を投じる企業が7.3%あり、越境EC事業への投資規模は企業によって大きく異なっている。
「越境EC事業を開始した場合、撤退・継続の判断を下すマイルストーンを事業開始からどれくらいに設定するか」という質問に対しては、「開始から半年経過時点」が12.2%、「開始から1年経過時点」が23.5%、「開始から1年半経過時点」が23.2%、「開始から2年経過時点」が17.8%。全体の76.7%が開始から2年以内で越境EC事業の撤退・継続を判断している。
□ 調査概要 調査対象:20~70歳代の男女1000人 調査条件:EC事業を運営している担当者・責任者 調査対象エリア:全国 調査期間:2024年11月25日~11月28日 調査方法:インターネット調査