クレーム電話への応対には「3D言葉」を使わない 相手の言い分を批判するのは逆効果【ビジネスマナー常識チェック】
【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#82 電話応対編(8) ◇ ◇ ◇ 【シリーズ初回】メールで好印象を与える「4つのポイント」言葉の選び方で誤解を招くことも ここまで、ビジネスの場での一般的な電話応対についてお伝えしてきました。 ここからは、仕事をする上で避けては通れない「クレーム電話への応対」についてみていきましょう。 クレーム応対では、単に謝罪するだけでなく、相手の話をしっかりと聞いたうえで適切な対処法や解決策を提示し、納得してもらうことが大切です。特に、顔が見えない電話の場合は、聞き方や言葉の選び方、声の大きさや抑揚のつけ方が重要な役割を果たします。 一方で、言いがかりのようなクレーム電話を何度もかけてきたり、不当な金銭の支払いを要求するなど、悪意のある理不尽なクレームも存在します。このような場合は、会社として毅然とした態度で対応し、不当な要求はきっぱりと断ることも必要です。 ここでは一般的なクレーム電話への応対について説明していきます。 【2つの心得】 クレームの電話は、購入した商品やサービスに対する不満が原因でかかってくることがほとんどです。相手の怒りを鎮め、2次クレームを防ぐための心得を確認しましょう。 ①対抗しない お客さまがどんなに怒っていても、どんなに強い口調で言葉を投げかけてきても、「売り言葉に買い言葉」で同じ調子で対応するのは厳禁です。また、お客さまが話しているときに、その話をさえぎってこちらの主張を述べたり、相手の言い分を批判するのも逆効果。特に、話のはじめに「ですから」「でも」「だから」など、いわゆる「3D言葉」を使わないよう気を付けましょう。 〈例〉 「ですから、先ほどから何度も申し上げているように……」 「でも、それはこちらの責任ではありません」 「だから、正しい使い方は説明書に書いてありますよ」 このように、これらの言葉の後には、言い訳や相手を批判しているように受け取られる内容が続きがちです。言われた相手は、自分が軽んじられていると感じるかもしれません。たとえその意図がなくても、相手の感情を逆なでし、状況を悪化させてしまう可能性すら考えられます。 お客さまが話している間は、話をさえぎったり反論したりせず、メモをとりながら最後まで丁寧に聞きましょう。その際、無言で聞くのではなく適度にあいづちを打つことが大切です。電話では表情が見えないため、声に出してあいづちを打つことで「しっかり話を聞いています」という安心感を相手に与えることができます。 (金森たかこ/マナー講師)