揚げ物現場の酸化・炭化低減・油はねなし・油消費抑制・減臭 クールフライヤーが外食調理現場で高評価
筐体の専門店仕様の要望について 天ぷら専門の比較的ハイエンドな店舗では、フライヤーが銅板で覆われているのを目にする。同機器も銅板仕様の機体があれば欲しいと川俣氏は語った。フライヤーの機能には不満はないという。 銅板で機器を覆う場合、金属加工メーカーに依頼すれば別途作成してくれるだろう。店内の構造もまちまちなので都度オプションで製作できるサービス体制があればさらに利用店増加の可能性は高まるだろう。
「Crisp!(くりすぷ)」(東京都江東区)
冷凍品を一切使わないアジフライでクールフライヤーを使用 亀戸駅から至近の昔ながらの路地裏に店舗を構える同店は、フランスの星付レストランや神田の割烹居酒屋などでの修行経験を持つオーナーシェフ石井将太氏が運営。提供するアジフライは冷凍を一切行わずクールフライヤーで調理。他の揚げ物(林SPF豚肉・野菜など)は揚げ鍋を使用している。席数は1階にカウンター8席、2階にテーブル5卓の10席。揚げ物メインのレストラン。
油の酸化や炭化のないフライヤーを探す もともと油の酸化や炭化に敏感で、使用する油の品質や状態、油の違いによる揚げ物の風味や香りへのこだわりが強く、酸化や炭化の少ない調理法や調理機器を詳しく検証した結果、クールフライヤーに辿り着いたという。油の交換は通常のクールフライヤーの利用者に比べてかなり頻度が高く4営業日に1回ほど。業後の油抜きも行っている。 酸化が低いので揚げ物の風味が落ちてから油を交換するということが起こらない。油きれがすごく良い。油きれが良いということは酸化していないということ。また、油が酸化しないフライヤーは結構あるが、炭化させないフライヤーはほとんどなく、あっても大型のものしかない。油が炭化すると衣が素材の味を邪魔してしまう。(石井氏)
揚げ物の油きれも良い フライヤーはカウンター越しのすぐ目の前に置いてある。通常のフライヤーでこの距離感で設置することは不可能だろう。実際にアジフライを揚げていただいたが、揚げ物特有のはじけ音は聞こえず、シュワシュワという低い音のみで静かだった。フライヤーの目の前まで顔を近づけても油が飛ぶことはまずなさそうだ。お客様にしてみれば目の前で揚がる様子を見る楽しみも増す。 酸化が少ないと、油の粘度も抑えられるので揚げ物の油のきれが良い。また、酸化が多いと油槽周辺に黄色い塊のようなものが付着してくるがそれも見られない。お客様の目の前に置いても不潔な感じも全くない。(石井氏) 他にないアジフライと好評 アジフライはレア・ミディアム・ウエルダンの3種類がある。フライヤーの温度は165度。レアを試食させていただいた。脂っこさがなく、衣はサクサクして爽やかだが、アジは口の中でするりと溶けてしまう食感。初めて食べる味わいで、高級フレンチのように感じられた。この仕上がりはクールフライヤーの力によるものだと店主は語った。油に炭化物が混じらない(黒くならない)からであろう。