32歳、周囲の友人がみんな「NISA」を始めました。「月3万円」しか積み立てられないのですが、本当に“貯金”よりも得なのでしょうか? 今からでも始めるべきですか?
2023年12月に従来の「一般NISA」「つみたてNISA」が終了し、2024年1月から「新NISA」が始まりました。これまでのNISA制度のデメリットが改善され、投資初心者の人でも扱いやすい制度に生まれ変わっています。 ただ、旧NISAを利用した経験が浅い、または未経験のため、「新NISAの魅力が分からない……」とお悩みの人もいるでしょう。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる? 本記事では旧NISAと比較した新NISA制度の魅力と、NISA制度を利用したときにどれくらいの税制メリットが得られるのかを紹介します。
旧NISAと比べた新NISAのメリット
新NISAは2024年1月から開始された制度で、2023年以前に「一般NISA」「つみたてNISA」の口座を保有していた場合は、自動的に口座が開設されます。旧NISAの一般NISAは新NISAの「成長投資枠」に、つみたてNISAは「つみたて投資枠」にそれぞれ引き継がれており、新NISAでは両方の枠を併用できるようになりました。 制度も恒久化されているため、ご自身の好きなタイミングでNISA口座を開設することができます。旧NISAと比較した新NISAの代表的なメリットは次のとおりです。 ■非課税保有期間が無期限になっている そもそもNISAは少額投資非課税制度のことであり、一定の投資金額内で得た利益が全額非課税になります。ただし、非課税で銘柄を保有できる期間について、旧NISAの一般NISAでは5年、つみたてNISAでは20年という制限がありました。 一方、新NISAは非課税保有期間が無制限になっており、NISA口座内で銘柄を保有している限り、得られる利益が非課税となります。 例えば毎月3万円を20年間、つみたて投資枠で積立投資する場合、運用利回りが年3.0%と仮定すると元本720万円に対して利益は約263万円となります。本来はその利益から約53万円が所得税・住民税として差し引かれることになるのですが、NISA口座では全額を利益として受け取れます。 ■非課税投資枠が従来よりも大幅に拡充している 旧NISAと比較して非課税投資枠が拡充している点も、新NISAのメリットです。旧NISAでは年間の投資上限が一般NISAで120万円、つみたてNISAで40万円と決まっていましたが、新NISAでは成長投資枠で240万円、つみたて投資枠で120万円と大幅に拡充されており、年間で最高360万円も投資できます。 一般NISAとつみたてNISAの選択制だった旧制度と異なり、成長投資枠とつみたて投資枠の併用ができる点もメリットです。 ■非課税枠の復活と再利用が可能 旧NISAでは、NISA口座内で購入した銘柄を売却しても、売却した分の枠の再利用はできませんでした。一方の新NISAでは売却分の再利用が可能です。再利用できるのが「売却の翌年」と注意点はあるものの、枠を無駄にせずにフル活用することで効率良く資産形成を進められるようになります。