“コロナ禍の1年”を振り返る
【第2波】
5月下旬~6月中旬ごろは新規感染者が大幅に下がり、東京都でも一桁の報告となる日もありました。 この頃、感染源として着目されていたのがホストクラブなど「夜の街」でした。東京・新宿区では6月に歌舞伎町で集中的にPCR検査が行われました。政府のコロナ分科会でも、第2波では「接待を伴う飲食店」などでの感染例が多く報告され、感染が全国に広がっていったと指摘されました。この時期は、感染者の多くが若い世代だったことも特徴でした。 コロナ対策担当の西村康稔(やすとし)経済再生担当相をはじめ、政府が「感染拡大防止と経済社会活動の両立」を訴えたのはこの頃のことです。観光産業の需要喚起策「Go Toトラベル」などGo Toキャンペーンが練られ、Go Toトラベル事業は当初の開始予定を前倒しして7月22日に開始しました。ただし、感染状況が収束していなかった東京を目的地とした旅行、東京在住者による旅行は対象外となりました。 その東京都は対策として、8月3日、酒類を提供する飲食店やカラオケ店に対して9月15日まで営業時間の短縮を要請。都は10月1日にGo Toトラベルの対象になりました。
【第3波】
第2波は、第1波のように流行のヤマが下がりきりませんでした。そして、11月ごろから新規の感染者数が再び増加。これを受け、政府コロナ分科会の尾身茂会長は11月9日、緊急記者会見を開き、「感染が全国的に見ても増加しているのは間違いない。減少要因を早急に強めなければ、いまは『徐々』にだが、『急速な』拡大傾向に至る可能性が高い」と警鐘を鳴らしました。 分科会は11月20日にも(1)酒類を提供する飲食店の時短営業(2)感染拡大地域への出入り自粛(3)Go Toキャンペーンの運用見直し検討――などを含む提言を政府に示し、早期の対応を迫りました。 これを受け、政府は特に感染状況が悪化していた札幌市、大阪市を目的地とする旅行をGo Toトラベルの対象から一時的に外しました。さらに、12月28日からは全国一斉に一時停止としました。 第3波では、感染者数が第1波、第2波を大きく上回りました。東京都では大晦日の12月31日、1日の感染者数としては初の1000人越えとなる1337人に。埼玉・千葉・神奈川など近隣県でも年末年始にかけて過去最多の感染者を記録するに至りました。首都圏の1都3県の知事は1月2日に緊急事態宣言の発出を要請。菅首相は4都県を対象とする緊急事態宣言を1月7日に発出しました。期間は8日午前0時から1か月間(2月7日まで)です。